病気になりにくい身体作りを目指せる薬膳。「難しそう」だと感じていませんか?実は、とても楽に、とっても楽しくとり入れられるものなのです!
暑さによる不調は、【暑邪(しょじゃ)】によるもの。
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暑さによる不調は、【暑邪(しょじゃ)】によるもの。
梅雨が終わると、本格的な夏。今年も暑くなりそうですね……。漢方医学では、気象や環境がもたらす病気の原因を【六淫(ろくいん)】と呼んでいます。風邪(ふうじゃ)、暑邪(しょじゃ)、寒邪(かんじゃ)、火邪(かじゃ)、燥邪(そうじゃ)、湿邪(しつじゃ)の6つの邪気があり、暑さからくる夏の体調不良は【暑邪】によるものだと考えられています。ひどく汗をかく、のぼせる、火照るなどの症状が出ます。熱中症は、暑邪による不調の代表的なものだと言えます。
熱を冷ますだけでなく胃腸を守るものも併せて。
薬膳には、身体を冷やす【寒涼性】の食べもの、身体を温める【温熱性】の食べもの、そして、冷やすことも温めることもしない【平性】の食べものがあります。熱中症を防ぐために摂りたい食材は、身体を冷やす【寒涼性】のもの。身体に溜まった余分な熱を冷ますことで、熱中症を予防できると考えます。
トマトやなす、きゅうり、ゴーヤ、ズッキーニなどの夏野菜は、寒涼性。すいかやバナナ、キウイ、マンゴーなどもそうです。夏に旬を迎えるものや、暑い土地で実ったものの多くは寒涼性だと言えますから、食材選びのひとつの目安にするといいでしょう。
ただ、寒涼性のものだけを摂るのはよくありません。身体の熱を冷ますだけでなく、胃腸まで冷やしてしまうからです。胃腸はエネルギーともいえる【気(き)】を生み出す大切な場所。冷やし過ぎにならないよう、ねぎ、大葉、生姜など温熱性のものも併せて摂るようにしましょう。また、寒涼性のものも加熱すれば、冷やし過ぎを抑えることができます。
ここ数年、場所によっては“危険な暑さ”と表現されるほどの猛暑日も出てきています。水分を摂る、エアコンの活用などに加え、食事でもできる熱中症予防。ぜひとり入れてください。
身体を冷やすもので熱を冷ますトマト
夏は生食が多くなりますが、胃を冷やさないためにスライスしてソテーに。ねぎ、生姜、海苔をのせてポン酢をかけて、どうぞ!
なす
さまざまな料理に使えるなす。めんつゆで煮て生姜をたっぷりのせれば、時短で副菜が完成!
ゴーヤ
チャンプルーが有名ですが、薄切りをさっと茹で、塩昆布と和えるだけでおいしい一品に
ズッキーニ
縦半分に切り、ワタを取ってツナマヨネーズを詰め、トースターで焼く。おしゃれな料理になります
みょうが
甘酢漬けを作ると、焼き魚に添えるなど、いろいろ使えて便利。さっと茹で、甘酢に漬けるだけ!
もやし
料理で余ったもやしは、ねぎと炒めてめんつゆで味つけ。かつお節をのせれば簡単副菜が完成!
豆腐
冷奴はねぎと生姜をのせるのが定番。これは胃を冷やさないために、理にかなった食べ方なんですよ
南国フルーツ
バナナは皮ごとオーブンで焼くと甘味がアップ。火を通すと、胃を冷えから守ってくれます
身体を冷やすものだけでは胃腸も冷えて、消化が悪くなる原因に。火を通したり、胃を冷えから守る温熱性の食材(ねぎ、大葉、生姜、にんにく、梅肉、カレー粉など)も併せて摂るようにしましょう。