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知っトク!?健康スキル

昼間の眠気を改善。睡眠クオリティを上げる、“寝具”の選び方

掲載号 vol.56

あなたの常識それ、本当?プラス

「昼間に眠くならない」「朝すっきり起きられる」。日本睡眠科学研究所の野々村琢人所長によると、それを実感できれば、良質な睡眠をとれたと言えるのだそうです。あなたは、そのふたつを実感できていますか?良質な睡眠には、食事や運動、光のとり入れ方などが関係しています。もちろん寝具も、大切な要素のひとつ。あなたにもきっと、デザインや肌触りなど、お気に入りのものがあるでしょう。ただ、寝具をそういった好みだけで選んでしまうと、かえって睡眠の妨げになることもあるのだそうです。

記事内容

読了時間:分

疑問1
首のしわを防ぐため、
枕は使用しない
×
枕は必要。
使わないことでもしわの原因に!

高過ぎる枕は、首にしわができる原因になることもありますが、低過ぎる、あるいは枕を使わないことでも、首の後ろ側のしわになる可能性があります。加えて、睡眠の妨げや、肩こりや首の痛みにもつながりますので、枕の使用をおすすめします。枕がない状態で仰向けになると、首の後ろや後頭部に隙間ができ、身体に無駄な力が入ってしまいます。それが、睡眠の妨げや、肩こり、首の痛みの原因になってしまうのです。枕は、頭をのせるものではなく、首を支えるもの。首の後ろや後頭部にできる隙間をぴったりと埋める枕が理想的です。

この間を埋める枕が理想

疑問2
枕は好みの素材で選んでいい
◯
素材は好みでOK。
重要なのは、高さです

羽根、羽毛、パイプ、わた、ウレタンなど、枕にはさまざまな素材がありますね。ご自身が気持ちよいと感じる素材を選ぶとよいでしょう。ただ、身体に合っていることが、快眠の条件のひとつ。先ほどお伝えしたように、首と後頭部にできる隙間を埋めるのが理想の枕です。身体に合わせて、首を支えられる高さのものを選ぶようにしましょう。さらに横向き寝になったときには、肩の高さの分だけ隙間が大きくなりますから、その高さにも対応できるものがよりよいと言えます。中央部分が低く、両サイドが高くなっている横向き寝に対応している枕もあります。


疑問3
硬い敷き寝具は、身体が痛くなる。
柔らかいものがいい
▲
柔らかさは必要ですが、それだけでは不十分

立っているときの人間の背骨は、なだらかなS字型を描いています。寝ている間も、このS字カーブを維持できるのが理想。そのために、敷き寝具は、柔らか過ぎても硬過ぎてもよくありません。柔らか過ぎるとお尻など重い部分が沈み込みますし、硬過ぎても肩やお尻などで身体全体を支えることになり、負担がかかってしまうからです。さらに寝返りの回数が増え(※一晩に20~30回が適切)、睡眠の妨げにもつながります。適度に身体が寝具に沈み、立っているときと同じように背骨がS字カーブを描けるものがよい敷き寝具だと言えます。起床時に身体に痛みがある場合は、敷き寝具を見直してみるとよいでしょう。

S字カーブ敷き寝具

疑問4
掛け布団は、重いものが好き
▲
重いものも悪くはありませんが、
寝返りをしにくくなってしまいます

掛け布団は、基本的に重さを感じないものがよいとされています。それは、寝返りを打ちやすくするため。同じ姿勢で寝ていると、血液が一部分に溜まりやすくなり、血行が悪くなります。それを防ぐためにも寝返りが必要なのです。重い布団は密着感があり、安心が得られると言う人も多いのですが、実は軽い布団でも、しなやかに身体に密着し隙間が空かない掛け布団もあります。重い布団が睡眠の妨げになるとは言えませんが、寝返りを打ちやすくするという意味で、軽いほうがいいと言えます。


疑問5
楽なルームウエアで過ごしても、
寝るときはパジャマに着替える
◯
着替えるという行動が、
入眠のしやすさにつながります

パジャマに着替えるという行動は、脳に「これから眠るんだ」と認識させるために必要なこと。例えば、ベッドでスマートフォンを見るという習慣があると、脳が「ベッドはスマートフォンを見るところ」だと認識してしまいます。眠るための習慣を持つことはとても重要なのです。どんなに動きやすい服装であったとしても、寝るときはパジャマに着替えるほうがよいでしょう。

疑問6
冷えを防ぐために、
しっかり厚手のパジャマを着る
×
厚手のものは、
睡眠中の身体の動きの妨げに

パジャマなどナイトウェアは、寝返りを打ちやすくするために動きやすいものが理想。厚手のものや、すべりの悪い素材だと睡眠中の身体の動きを妨げることにつながります。寒い場合はエアコンや、暖かい羽毛布団を使うことをおすすめします。ナイトウェアを選ぶときは、身体を締めつけず、ゆとりがあるものを。ベッドの中にいるときの温度や湿度が一定であることも良質な睡眠の条件のひとつですから、吸水性や透湿性が高いものがいいでしょう。素材でいえば、シルクやオーガニックコットンが理想だと言えます。また、夏でも長い袖・丈のパジャマがおすすめ。汗を吸いとってくれるので、快適な睡眠につながります。

パジャマのポイント

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この先生に聞きました!

野々村 琢人 先生

野々村 琢人 先生

ののむら たくと

日本睡眠科学研究所
所長

学習院大学理学部数学科卒業。理学修士、技術士(情報工学、総合技術監理)。東芝入社後、ソフトウェア工学、DX技術などの研究開発に従事。2018年より現職。睡眠生理や寝具の研究開発に従事

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