お肌に乾燥は大敵。潤いを与えるなど、きっとスキンケアは欠かさないはず。では身体はどうでしょう?身体の中の水分は足りていますか?人間の身体は水でできている、とは言われますが水分は一定に保たれているわけではありません。お肌が水分不足になるとしわやたるみにつながるように、身体の中にある水も、足りないと健康に影響があるのです!
“身体の水”は生命維持に不可欠
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“身体の水”は生命維持に不可欠
水分不足によって起こること
春の足音が聞こえる今日このごろ。厳しい空気の乾燥も落ち着いて、お肌にとって過酷な季節も終わり……と、ホッとしているかもしれませんね。しかし!潤いが大切なのはお肌だけではありません。身体の中にも、もちろん大切。水分が不足するとどんなことが起こるかご存知ですか?実はあなたが思っている以上に、若さや健康に影響があることがわかってきたのです。
さて。“身体の水”とは何でしょう。イメージしやすいものには唾液や鼻水、涙や汗、尿などがあります。また、血液、リンパ液など身体の中に留まるものも大切な水です。それら、身体にあるすべての液体が【体液】と呼ばれています。体液にはそれぞれ働きがあり、例えば血液には、酸素や栄養を身体中に運んだり、体温を一定に保つなどの働きが。リンパ液には身体にある老廃物を回収するなどの働きがあります。そのさまざまな働きがあるからこそ、私たちは生きていくことができるのです。
「体液は私たちにとってなくてはならないもの。タンパク質やブドウ糖、ナトリウムやカリウムなどのミネラルが溶けていて、身体中を巡ることが生命維持にかかわっているのです」
お話をうかがったのは、香川大学の西山 成先生。体液と健康との関係を研究し、近年では、宇宙飛行士の体液の変化など、JAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同研究にも取り組まれています。
一定ではない水分量。減っていく理由とは?
人間の身体は、約60%が体液だとされています。ただこれは成人男性の数値で、成人女性は約55%と低くなり、高齢者は50~55%とさらに低くなります。その差の理由は筋肉量にあるそうです。
「体液は大切なものですから身体の中に留めておく必要があります。その役割を果たすのが、皮膚と筋肉。貯蔵タンクのようなものです。女性は男性に比べ筋肉量が少ないため、貯蔵しておける水分も少なくなります。高齢になると皮膚も筋肉も痩せてしまいますから、貯蔵できる体液の量がさらに減ってしまうのです。ただ、高齢者でも高い水分量を維持している人はいます。水分量が多い人はやはり若々しく見えますし、健康な人が多いと言えます」
お肌が潤い不足だと、ちょっと老けたな……と感じてしまうもの。身体の中もそれと同じことが起こっているのです。