「あと5kg痩せたい!」「夢の40㎏代を目指す!」。 痩せれば、若々しく美しくなれると思ってしまいますが……、実は「痩せなきゃ!」は呪いの言葉。 40代からは特に、痩せるとぐっと老け込んでしまうのです!しかも、下腹にお肉がのったり、二の腕がたぷたぷになったのは、「太った」ことが原因ではないのだそう。
本当に太っているの?「痩せたい」が、あなたを老けさせる!
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本当に太っているの?「痩せたい」が、あなたを老けさせる!
痩せたらキレイになる。その考えは危険!
寒さがゆるみはじめ、そろそろ衣替えの時期。クローゼットにしまっていた春夏の洋服が登場します。明るい色が多くてワクワクしますが、次に襲ってくるのは厳しい現実。“これ、まだ着られるのか?問題”です。確かめるべくそれを着て、鏡の前に立つと……。袖からのぞくたぷたぷの二の腕、ウエスト部分にのっかったお肉、下がってしまったお尻のライン……!!! そんなとき、きっと、「痩せなきゃ!」とダイエットを思い立つはずです。
しかし! 年齢を重ねた私たちが痩せるのは、ちょっと危険。「痩せてキレイになれるのは、20代まで」と、『Dr.KAKUKO スポーツクリニック』院長の中村格子先生。知識と経験に基づいた独自のエクササイズで、多くの人をすこやかで美しい身体に導いてきた先生です。
「洋服が合わなくなると『太った』と思ってしまいますが、実は違います。ほとんどの人が“たるんでいる”のです。バストがだんだん下がってくると、たるんだと理解できますよね。それと同じで、お腹も二の腕もお尻も、何もしなければたるんでしまうのです」
昔とは違う自分の身体が、「太ったのではない」とは信じられないかもしれません。
「自分は太っていると感じている女性はかなり多いのですが、日本人の7割は標準体型というデータがあります。肥満ではないことのほうが多いと言えます。ですから、まずは肥満かどうかを確認しましょう。それを知る指標としてBMIがあります(下の表を参照)。
これは体重と身長の関係から肥満度がわかるもの。25以上が肥満とされていますから、それ未満なら太っているとは言えません。次に体脂肪率。30%以上が肥満です。BMIが25以上、もしくは体脂肪率が30%以上あるなら、病気予防のためにも糖質控え目などの食事と運動で、体重を落としたほうがいいでしょう。ただ、該当しない人は『痩せなきゃ!』と思ってはだめ。特に40代からは痩せてもキレイになれません」
目指すべきは、引き締まった身体!
食事を減らしたダイエットで痩せた人は、ほぼ老け込むと先生。
「体重が減った! と喜んでいる人がいますが、周りからは『以前のほうが若々しかったのに……』と思われているかもしれません。痩せる、というのは本来いい意味ではありません。“痩”は、やまいだれを部首に持つ漢字。病気を意味する漢字なのです。食事を減らすだけのダイエットは、たるんで老け感が増すだけです」
年齢を重ねた私たちが目指すべきは、引き締まった身体。
「たるむのは筋肉が減ったことが大きな理由。40代になると、20代の頃から10%以上筋肉量が減ると言われています。筋肉が衰えていると、その上にある脂肪も皮膚もたるんでしまいます。筋肉を鍛えることで、ほどよくふっくらとして、ハリのある引き締まった身体を目指せるのです」