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知っトク!?健康スキル

40代は“目”の曲がり角!?『緑内障』の症状と予防(2/5)

掲載号 vol.39

視野が欠けていく。自覚しにくい緑内障の症状。

人間の優れた機能があだとなってしまう!

緑内障は、視神経が減る病気。視神経は、目と脳をつなぐケーブルのようなもので、ものの形や色など、目で受け取った情報を脳に送る役割があります。視神経が減少すると、その分、目から入った“映像”を脳に送ることができなくなり、見えない部分ができてしまうのです。

「緑内障の患者さんは、その見え方を『霧の中にいるようだ』と表現します。ものや色はなんとか見えているけれど、輪郭がはっきりしない、かすんでいるように見える、とも。白内障の場合は、水晶体が白く濁ることで、視野全体が見えづらくなるのですが、緑内障の場合は部分的にかすんで見えます。視野の一部だけ見え方がおかしい、と感じるようです」

見え方がおかしい、と自覚できるまでになると、緑内障がかなり進行した状態に。なぜ、そこまで見えていないことに気づけないのでしょうか?

「視野の欠けに気づけない理由は3つあります。まず、目がふたつあること。一方の目が見えていないところを、もう一方の目が補うのです。次に、脳が画像を補っていること。脳は、目から伝わってきた膨大な情報から必要なものを選択して、矛盾がないようにイメージを作り出しているのです。実は、正常な人の視野にも見えていない所があります。ものを見るとき、視野全体がはっきり見えていると感じていると思いますが、本当は中心がはっきりしているだけで、周りはぼんやりとしか見えていません。それを自覚できないように、脳が自動的に視覚情報を利用して見えていない部分の画像を補っているのです。その脳の働きによって視野の欠けに、なかなか気づくことができないのです」

目と脳が見えない部分を補うことは、生きるための有利な機能ですが、それがあだとなって緑内障の発見を遅らせてしまうのです(下図の写真を参照)。

緑内障の見え方とは?

写真は、緑内障によって、左目の左下方に視野の異常がある場合の見え方(イメージ)。両目で見ると(写真・左)、左下方にいる子どもは見えていますが、左目だけで見ると、子どもの姿が見えなくなります。緑内障初期~中期は、一方の目がカバーしたり脳が画像を補うことで、自然な見え方になるのです。それが緑内障の進行に気づきにくい理由です。

左目が緑内障の場合の見え方(イメージ)
両目で見たとき(本来の風景)
左眼だけで見たとき
何歳からでもできることがある!

「3つめの理由は、進行がゆっくりであること。見え方の変化がゆっくりなため、変わったことに気づきにくい。テレビのバラエティ番組で、画像が徐々に変化していく“間違い探し”を見たことがありませんか? 脳トレに役立つと話題になったものです。数十秒の間に起こる変化でも、見つけるのはとても難しい。緑内障の見え方は年単位で変化しますから、もっと難しいわけです」

目と脳が見えない部分を補うこと、進行が遅いこと。それが、発覚を遅らせる原因ですが、進行が遅いという特性によって、緑内障であっても、寿命を迎えるまで視覚を保てる可能性もあります。

「気づかないまま寿命を全うできるなら、病気ではないという考え方もできるかと思います。ただ、いつ寿命を迎えるかは自分ではわかりません。100歳まで生きる備えはやはり必要。緑内障を予防することは、とても大きな備えとなります。また、緑内障は進んでしまったら戻せませんが、治療によって進行を遅くすることは可能です。何歳になっても、見える幸せを失わないために、できることは多くあるのです」

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