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知っトク!?健康スキル

「口臭予防」に食後の歯磨きはNG !?唾液の流れをよくするオーラルケアとは?(3/3)

掲載号 vol.34

これが正しい「口臭予防」!唾液の流れをよくする5 つのポイント

うつむく姿勢も唾液の流れを止める!

朝起きたとき、お腹が空いたとき、緊張しているとき、疲労したとき。このときに起こる口臭には、共通して唾液の流れの悪さが原因に挙げられます。口内には、腸内細菌同様に、さまざまな菌が存在しバランスをとっています。

「菌は常に唾液の中に浮遊していて、においは唾液を介して発生します。唾液が流れていれば口臭はありませんが、流れが止まると菌のバランスがくずれ、においの元になる菌が増えるのです」

起床時に、菌が最も増えるのは、眠っている間に唾液の分泌が少なく、流れが滞るためです。

「空腹時も、唾液の分泌が少なくなります。緊張時や疲労時は、ストレスのある状態。交感神経優位になることで唾液の分泌量が減ってしまいます。唾液の量が減ると、口内が乾燥し、菌が繁殖。唾液がねばねばしたものになっていきます」

唾液の流れが悪くなる原因は、現代人ならではの姿勢にも問題があるのだそうです。

「スマホやパソコンを見ると、うつむくことになりますね。そうなると、口内に傾斜ができるので、唾液を飲み込めなくなり、分泌する・飲み込むという流れが止まってしまいます。ほかにも、本を読んだり、机で書き物をしたり、目線が水平より下になるような姿勢のときは、口臭が起こりやすくなりますので、注意が必要です」

口内の殺菌のために、洗口液が使われますが、さらさらとした唾液の流れがあればそれだけで十分。唾液が洗口液のような働きをしてくれるのだそうです。

「唾液の流れをよくすること。それだけで魔法のように、口臭がなくなるのですよ」

口から始まる病気を防いでくれる唾液。

健康のために、あまり重要なイメージのない唾液ですが、口臭予防はもちろん、命を守るものとして、とても大切。

「唾液は、血液と同様に大切だと言えます。口は外の環境と直接つながっていますから、細菌やウイルスが侵入します。それを殺菌し、体内への侵入を防いだりしているのです。また、歯周病があると、心臓疾患やがんのリスクが高まることもわかっています。唾液には、怖い病気の始まりと言える歯周病を防ぐ力もあるのです」

唾液の流れをよくする方法は、材料となる水を摂ること、きちんと朝食を摂ることなど簡単なものばかり(ページ下に紹介)。口から始まるトラブルや、大きな病気も予防してくれる大切な唾液。未来もずっと笑顔でいられるよう、唾液の流れをよくする、正しいオーラルケアを続けましょう!

食後のお口直しに加えて、
唾液の流れをよくする工夫を!

ガムを口の中で転がしておく。
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唾液は、ふたつの反射によって促進されます。ひとつは味覚反射。酸っぱいもの、甘いものなどの味によって分泌されます。もうひとつは異物反射。口の中に異物があると分泌されます。ガムはその両方の反射で唾液分泌を促進するので、食後のガムは口臭予防に有効。シュガーレスで噛みごたえのあるものがよいでしょう。また、ガムの味がなくなったら、丸めて口の中でころころさせておくと、異物反射によって唾液分泌が続きます。

水分補給は、お茶より水を。
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十分な唾液を確保するために欠かせないのが水分補給。摂るのは、やはり水がベストです。お茶に含まれるポリフェノールには口臭抑制効果がありますが、飲み過ぎると逆効果。唾液の分泌を抑制する作用もあるからです。また、ジュースや牛乳は舌の上に残りやすいため、口臭の原因になります。水は、食事中や喉が渇いたとき以外にも、こまめに摂るのがポイント。特に、朝の歯磨き後、食事と食事の間に摂るのが重要です。睡眠中や、食べたものを消化している間は体内が水分不足になるため、口臭が発生しやすくなります。唾液の材料になる水を補いましょう。

だし昆布を口に含んでおく。
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ガム同様、だし昆布を口に含んでおくと、異物反射によって唾液分泌が続きます。だし昆布(加工されていない乾物)を1㎝×2㎝の大きさにカット。角を残し、長方形にすることがポイントです。異物として認識しやすく唾液分泌には最適なのです。おやつ昆布でもOK。昆布に含まれる葉緑素は、口臭抑制効果もあります。ただし、ヨウ素を含みますから、甲状腺機能障害のある人には向きません。

朝食を抜かない。
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朝食を抜くと、空腹による口臭も発生しやすく、噛む・飲むという作業が減ることから唾液が不足し、流れが悪くなります。一日の始まりの食習慣を充実させることは、口の機能改善にとても重要。本田先生によると、朝食は和食がよりよいとのこと。ご飯や焼き魚など噛みごたえのあるものが多く、唾液分泌効果が高いそう。和朝食を摂ることは、本田先生の、ドライマウス治療プログラムに組み込まれているそうです。

目線を上げる。
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スマホやパソコンを使うと、長時間下を向くことになり、唾液の流れが悪くなります。うつむいた姿勢になる場面は、読書や勉強、料理や買い物などの生活の中に意外に多くあります。長く目線が下を向いていると感じたら、45度上を向くようにしましょう。そうすると嚥下(えんげ)反射が起き、唾液が流れ出します。併せて、水を飲むとより効果的です。


この先生に聞きました!

本田俊一 先生

本田俊一 先生

ほんだ しゅんいち

医療法人 ほんだ歯科
理事長・院長
日本口臭学会常任理事・指導医

山口大学農学部獣医学科卒業後、厚生省(現・厚生労働省)に入省。検疫業務に携わりながら、大阪大学微生物病学研究所にて、腸管感染症の基礎研究を行う。退官後、大阪大学歯学部に学士編入。歯科医に転身し、1995年、ほんだ歯科を開業、97年に医療法人 ほんだ歯科を設立

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