おいしい料理とともに味わうお酒は格別。でも年を重ねるにつれ、「お酒に弱くなってきたかも?」と感じている人も多いのでは? 実はそれ、身体の変化が関係しているのです。今回は、栄養学や健康管理に詳しい山田千積先生に、いま見直したいお酒とのつきあい方についてうかがいました。
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飲んだほうが身体によい。
お酒は飲み過ぎに注意が必要ですが、実は飲まない人よりも飲む人のほうが、長生きするという研究結果もあります。また、お酒を飲むことで得られる楽しさや解放感、仲間とのコミュニケーションも、健康に必要な要素のひとつ。ただし、それはお酒が飲める人が適量を飲んだ場合に限ります。もともとお酒を飲んでいない人や、健康のために控えている人は、無理に飲む必要はありません。
好きなだけお酒を飲んでもよい。
1週間単位で飲む量を考える。
肝臓を休ませる日を作るのは賢明です。ただ、休肝日を作ったからといって好きなだけ飲んでもいいというわけではありません。お酒が飲める人でも、純アルコール※摂取量の目安は1日20g(例:ビール中ビン1本程度)、1週間で140gに収まるように考えましょう。また、女性はアルコールを分解する速度が男性よりも遅いので、この量よりも少なめに飲むようにしましょう。
※【純アルコール】とは / お酒に含まれるアルコールの濃さは種類によってさまざま。アルコールの身体への影響は、飲んだお酒の量ではなく、摂取した【純アルコール】量が基準となります。
飲む量を減らしている。
お酒に強い・弱いという体質の差は、性別や体格以外に、肝臓の大きさによっても異なります。肝臓は摂取したアルコールを分解してくれるとても大切な臓器ですが、40代をピークに徐々に萎縮し、アルコールを分解するスピードが落ちてしまいます。年齢を重ねると酔いが早くなったり、お酒が抜けにくくなったりするのはそのためです。飲み方に注意して、徐々にお酒の量を減らしていくようにしてください。
きちんと肝臓のケアをしている。
肝臓以外に筋肉も必要。
アルコールはまず肝臓で分解された後、筋肉や心臓などでさらに分解されます。そのため筋肉が多い人ほど、アルコール分解能力が高いのです。ただ、肝臓と同じく筋肉も40代をピークに減少すると言われています。おいしくお酒を飲み続けるためには、肝臓のケアはもちろん、運動などで筋肉をつけることも心がけましょう。
筋トレをして汗をかいた後は、ビールをグイッと飲みたくなりますよね。ですが、筋トレ後にお酒を飲むと、筋肉の合成が抑制されてしまい、せっかく筋肉をつけようとがんばったトレーニングの効果が、減少してしまうことも。アルコールによって現在ある筋肉が失われるわけではありませんが、筋トレ後のお酒は控えるか、飲むなら8時間くらいは空けましょう。
純アルコール1gあたりのカロリーは約7kcalあり、決して少なくありません(例:ビール中瓶1本では、140kcalでご飯小盛り1膳程度)。また、おつまみにも要注意! 長い時間飲酒していると、どれだけ食べたかがわかりにくくなり、結果的にたくさん食べていたということも。年齢を重ねると代謝も悪くなるので、お酒と一緒に食べるおつまみも見直してみましょう。最適なものは豆製品や魚介類、鶏肉といった高タンパク・低カロリーのものや、野菜などのビタミンが豊富なもの。これからの季節なら山菜などもおすすめです。
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