インフルエンザ流行を前に、そろそろ予防接種を考え始める時期。なぜ、予防接種を受けるべきなのか。意外に知られていないこともあるようです。ウイルス研究者の渡邉真治先生にお聞きしました。
重症化させない。拡大させない。予防接種の役割
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重症化させない。拡大させない。予防接種の役割
ひとり一人の予防が社会を守ることにも。
冬になると毎日のように耳にする、インフルエンザ流行のニュース。「かかりたくない!」という思いは、きっとみな同じはず。でも、予防接種についての認識は少しずつ違うようです。「かかったことがないから受けなくてもいい」「接種してもかかることもある。効果がないのでは?」。それは、正しくありません。
「インフルエンザワクチンを接種する大きな理由は“重症化させない”ようにするためです。インフルエンザは発症すると、一般的に38度を超える高熱や、倦怠感、頭痛、関節痛などの症状があり、重症化すると、肺炎や脳症を起こします。脳症は後遺症が残ることもあります。予防接種を受けても感染することはありますが、症状を重くしないために受けたほうがいいと思います」
予防接種は自分自身を守るため。そしてもうひとつ、社会を守るという大きな役割もあります。多くの人がインフルエンザウイルスに対抗する免疫を獲得しておくことで、大流行を防ぐ“集団免疫”効果が期待できるのです。
「集団免疫はとても重要です。インフルエンザをはじめ、感染症は“拡大させない”ことが大切なのです」
ひとり一人の受ける予防接種が、 大流行を防ぐ力に。自分と社会のために受けるようにしましょう。