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知っトク!?健康スキル

太るだけ、じゃない!“運動不足”で起きる不調と解消法(2/4)

掲載号 vol.49

筋肉や肝臓にも!?ありえない場所に溜まる!"第三の脂肪"

第三の脂肪は、皮下・内臓脂肪の次に来る。

じっとしていると、筋肉や血管の硬化につながる可能性も……。そのひとつの原因に、近年“第三の脂肪”として問題になっている【異所性脂肪】があります。異所性脂肪は、二の腕やお尻につく皮下脂肪、お腹周りにつく内臓脂肪と違って、肝臓や心臓など、本来つくはずのない場所に蓄積されてしまうもの。“ありえない脂肪”とも呼ばれています。

「実は、筋肉にも異所性脂肪が蓄積されます。筋肉に脂肪が溜まるという状態がわかりやすいのがいわゆる“霜降り牛”です。日本人に好まれる甘味のある牛肉で、霜が降りたような見た目が美しく感じますが、それが筋肉の間に細かく脂肪が入り込んでいる状態。異所性脂肪なのです」

異所性脂肪が問題なのは、溜まったその臓器の機能を低下させてしまうことです。

「牛肉を食べて、ちょっと硬いなと感じたことはありませんか。あれは筋肉に異所性脂肪が溜まった上、線維化(コラーゲン線維などが増加し、硬くなった状態)が起こっているからです。それが、筋肉の機能を低下させてしまいます」

問題の異所性脂肪は食事だけでは落とせない

例えば、異所性脂肪が肝臓に溜まると、【脂肪肝】という状態になります。よく“フォアグラ状態”と揶揄される病変です。これを放置しておくと線維化が起こり【肝硬変】という疾患につながっていきます。文字通り肝臓が硬くなった状態で、肝臓が本来持っている、栄養をエネルギーに変換したり、その際に発生した有害な物質を毒性の低い物質に変えるといった働きを果たせなくなります。

筋肉が線維化すると、伸び縮みがしづらくなり、発揮できる力が減少します。身体が動かしにくくなりますから日常の動作にも影響しますし、ケガをしやすくなるとも言えます。筋肉に溜まった異所性脂肪は、血管にも影響し、動脈硬化や糖尿病のリスクを高めることもわかっています」

筋肉に溜まった
異所性脂肪は
動脈硬化や
糖尿病につながる
筋肉に溜まった異所性脂肪

筋肉には、血液中の糖をとり込み、蓄えて利用する働きがあります。しかし、筋肉に異所性脂肪が溜まるとこの機能が低下。糖を十分にとり込めなくなり血糖値が上昇するため、糖尿病のリスクが上がってしまうのです。また異所性脂肪は血管にも影響。動脈硬化のリスクも高まります。

異所性脂肪は、摂取カロリーを調整するだけでは落としにくいそうです。

食事の制限に加えて、運動をすることで異所性脂肪が落としやすくなることがわかっています。有酸素運動は、皮下脂肪、内臓脂肪に加え異所性脂肪も燃焼する効果があります。これが病気を防ぐために運動が効果的な理由のひとつです」

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