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知っトク!?健康スキル

気づかないうちに“疲労”は溜まる!?誤解が多い疲労の真実(3/5)

掲載号 vol.44

休日になるとドッと疲れる人は黄信号!?疲労感を隠す“ストレス”に要注意

ストレスと疲労は正反対の働きがある!

正月やお盆など休暇に入って急に体調が崩れる、という経験はありませんか?本誌編集部にもその経験があるメンバーが数名。休暇前の多忙な期間は活力に満ちた状態で仕事に取り組んでいたのに、休みに入った途端、気が抜けたように体調が崩れると言います。

「それは、忙しさというストレスが、疲労感をわかりにくくしていることが原因です」

疲労していることと、ストレスがあることは混同されがちですが、実は別のもの。むしろ、正反対の働きがあるのです。

「ストレスが引き起こす反応と、疲労・疲労感が生まれる仕組みが、そもそも違うのです。先にお伝えしたように、疲労・疲労感は、身体の中で疲労因子が作られることで起こります。対してストレスは、脳がストレス源を察知すると、副腎にコルチゾールとアドレナリンというホルモンを分泌するように命じます(下の図を参照)。疲労感は、身体の異変を知らせる生体アラーム。“休め”というメッセージを出していますが、ストレスによって分泌されるコルチゾールやアドレナリンは、仕事や運動をしやすくするために“もっとがんばれ”というメッセージを出しています。コルチゾールは、炎症性サイトカインを抑えて、疲労感を隠す働きがあります。アドレナリンは“戦いのためのホルモン”で、身体を活性化させる働きがあります。そのふたつの働きによって、身体が“がんばれる”ようになっているのです」

疲労とストレスの違い
疲労とストレスの違い

休暇前の多忙な時期は、ストレスがあるからこそ疲労感なく仕事に取り組めるということ。では、休暇に入った途端に体調が崩れるのは、なぜなのでしょうか。

「休暇に入ると、それまでにあった忙しさというストレスがなくなるからです。コルチゾールもアドレナリンも分泌されなくなりますから、それまで気づくことができなかった疲労感が急に現れます。もちろん、身体のダメージはかなり蓄積されています。突如現れた疲労感の“休め”のメッセージによって、長く回復することができなかった疲労のツケがくるわけです(下の図を参照)」

休暇に入るとどっと疲れるワケ

仕事の忙しさなどがストレスになり、アドレナリンとコルチゾールが分泌され疲労感がわかりにくくなる

仕事

休暇に入るとストレスがなくなり、アドレナリンとコルチゾールが分泌されなくなるため突然、疲労感が現れる

休暇

激しいスポーツも、ストレスのひとつ

忙しさだけでなく、激しい運動も負荷がかかります。

「ストレス解消の目的でスポーツをする人は多いのですが、むしろストレスになります。特にテニスやフットサルなど相手と競い合うものは、コルチゾールやアドレナリンがたくさん分泌されますから、疲労感がよりわかりにくくなります。スポーツ選手が陥りやすい【オーバートレーニング症候群】は、まさにそれと同じ。ハードなトレーニングがストレスとなって、疲労感が消されてしまいます。身体の疲労に気づかないため、トレーニングがどんどんハードになっていき、ある時バタンと倒れてしまいます。運動は健康に役立ちますが、激しいものは疲労を増加させる上に、疲労感を消してしまうことを、覚えておいてください」

ストレスと疲労感は、そのバランスが保たれることで、仕事や運動をすることができます。ストレスは必要なものですが、仕事が忙しいとき、激しいスポーツをしているときには注意が必要です。

「疲労感がなくても、身体は疲労しているはずだと考えるようにしましょう」

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