くしゃみや大笑いでのちょい漏れ。原因は『骨盤底筋』…?
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くしゃみや大笑いでのちょい漏れ。原因は『骨盤底筋』…?
出産をきっかけに増える、ちょい漏れ。
“おしっこがちょっと漏れる”という悩みは、女性からも、男性からも挙がってきました。特に多かったのは、不意にくしゃみが出たときや、大笑いしたときなどに少しだけ漏れてしまう、いわゆる“ちょい漏れ”。出産を経験した女性からの声が多く見られました。
「お腹に力が入ったときのちょい漏れは、出産を経験した女性、特に、出産に長い時間がかかった女性にとても多い症状です。なぜ女性にちょい漏れが多いかというと、排せつをコントロールする役割がある、骨盤底筋(下の図を参照)が衰えてしまうからです。骨盤底筋は妊娠・出産で、傷ついたりゆるんだりしやすいもの。ここがゆるむと、尿を“止める・出す”を調節する尿道括約筋をサポートする力も弱まります。骨盤底筋のゆるみによって、尿道括約筋がグラグラと動いてしまい、おしっこを止めておく機能が弱くなってしまうのです」
骨盤底筋とは?
その名の通り、骨盤の底にある筋肉のこと。骨盤内にある膀胱や子宮、直腸の重みを支えると同時に、排せつのコントロールを担っています。
もともと尿道括約筋が男性よりも弱くできていること、尿道が短く、まっすぐなことも女性にちょい漏れが多い理由です(下の図を参照)。
女性は、男性よりちょい漏れしやすい。
女性の尿道括約筋(内尿道・外尿道)は男性よりも弱くできています。男性は、前立腺(男性のみに存在する生殖器)と骨盤底筋によって支えられていますが、女性には支えるものが骨盤底筋しかありません。男性に比べて尿道が短いこと、男性と違って形状がまっすぐなことも、ちょい漏れしやすい理由です。
「骨盤底筋を鍛えるストレッチなどもありますが、効果が見えるまでかなり時間がかかることもあります。その間悩み続けることになりますから、病院を受診することも検討してください。肉体的な負担も時間的な手間も少ない治療法が普及しつつあります」
また、消臭機能のある吸水パンティライナーなど、ちょい漏れ対策アイテムも増えてきました。生理用ナプキンで代用せず、専用のものを選びましょう。
男性のちょい漏れは尿道の長さが原因!?
男性のちょい漏れは、女性のものとは原因が異なります。
「前立腺肥大による【溢流性尿失禁】(膀胱に尿がいっぱいになり、尿道からちょろちょろと漏れてくる失禁)も考えられますが、排尿後にちょっと漏れてしまうのは、尿道が長いため、中に尿が残ってしまうからだと言えます。例えるなら水まきホース。上に向けて水をまき、終わって下に向けると中に残った水が出てくるのと同じです。今の男性用便器には、底が高くなっているなど、尿道が下向きにならないようなものがあるのも理由でしょう。尿道が下を向くような姿勢で排尿することを試しましょう。難しいなら個室の便座で座って排尿してみてください。尿道に残らないよう、排尿後にしっかり尿を切ることも大切ですよ」
「どこか悪いの?」子どものおねしょは心配しなくてもいい。
どこか悪いのでは? と心配になってしまう、子どものおねしょ。布団の後始末などは大変ですが、おねしょ自体は、身体の問題ではないことがほとんど。深い眠りに就いているから起こることなのです。多くの場合、中学生になる頃までには治るとのことなので、過度な心配は不要。ただ、本人が悩んでいる場合は、尿をコントロールする治療薬もあるので、小児科を受診するとよいでしょう。