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知っトク!?健康スキル

『頻尿』『尿漏れ』の原因は?おしっこトラブルの改善法(4/5)

掲載号 vol.38

突然、強い尿意に襲われる『過活動膀胱』とは?

8人にひとりが悩む過活動膀胱。

急におしっこがしたくなる、ガマンできず漏れてしまう、という悩みは、男性にも女性にも見られました。通常、膀胱がいっぱいになる前に尿意を感じるようにできていますが、“いつ尿意が起こるかわからない”という状態は、外出に不安を感じてしまいます。

「突然強い尿意に襲われる、ガマンできなくなるのは【過活動膀胱】の代表的な症状です。過活動膀胱は、膀胱に尿を溜めておく機能に障害が起き、自分の意識しないところで不意に膀胱が収縮したり、尿道を上手く締めることができなくなってしまうというものです。40代以上の男女の8人にひとり(約820万人)が過活動膀胱だと言われ、そのうち、半数に失禁もあると言われています。尿を溜める機能がうまく働かないので、頻尿も起こりやすくなります」

条件反射でも急な尿意は起こる。

原因は、やはり膀胱の動脈硬化による血流の低下にあります。

「膀胱が硬くなると、膀胱の粘膜が薄くなります。そうなると粘膜に張り巡らされた神経に刺激が伝わりやすくなり、尿が溜まっていないのに、尿意をもよおしてしまうことになるのです」
膀胱に問題がなくても、急な尿意を感じることがあるそうです。

「パブロフの犬の条件反射のようなことで、急な尿意が起こることもあります。水の音を聞く、玄関ドアのノブに手をかける、など特定の知覚や、水を触る、冷蔵庫を開けるなどの寒冷刺激で脳から膀胱を収縮させる信号が送られてしまうのです」

悩む人が増えたことから、近年、治療法も増えてきたそうです。

「膀胱の神経過敏を抑える薬など、投薬での治療が一般的ですが、最近では、電気や磁気による治療法も開発されつつあります」

前立腺の関係で男性に多い症状。

おしっこが出るまでに時間がかかったり、残尿感があったり。スッキリ排尿できない症状は、男性に多く見られました。

「勢いよく出ない、出そうと思っているのになかなか出ないなど、尿を出すのに問題がある症状を総称して【排尿困難】と呼んでいます。これは男性に多い症状です。これも、膀胱がしなやかさを失うことが原因で、血流が低下して筋肉が硬くなると、収縮する力が弱まるため、尿を押し出しにくくなるのです。膀胱に尿が残ってしまうので、溜めておける容量が減って“常にトイレに行きたい感じ”もあります」

男性の場合、膀胱の問題に加えて、尿道が圧迫されることでも勢いよく出せない状態になります。

「男性の排尿困難は、前立腺肥大症も考えられます。前立腺は、膀胱の出口の尿道を取り囲んでいます(前ページの図を参照)。ここが肥大化すると尿道が圧迫されて、尿の勢いが落ちてしまうのです。尿が出にくくなりますから、膀胱に尿が残り、スッキリしないという感覚があります」

骨盤底筋内の臓器がだんだん下がる!?

女性の場合は、膀胱の収縮力の低下に加えて、骨盤底筋のゆるみで、子宮や膀胱の位置がずれる、腹圧が低下することなども原因。

「股間に何かが挟まったような違和感があるなら、骨盤臓器脱が考えられます。骨盤底筋がゆるんで、支えきれなくなった子宮や膀胱が体外へ出てしまうのです。それによって尿道が曲がり、排尿しにくくなります。日中に腹圧がかかることで、夕方以降にだんだんと子宮や膀胱が下がってきます。思い当たる人は、婦人科、または泌尿器科を受診しましょう」

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