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内から外から美容ケア

脂肪を燃焼させる!『褐色脂肪細胞』&『ベージュ脂肪細胞』(2/3)

掲載号 vol.33

太りにくい体質に!『褐色脂肪細胞』を活性化!

身体が温かくなる人は褐色脂肪細胞がある!?

食べるべき時間ではない深夜でも、簡単に食べものが手に入る。もっと動くべきなのに、そうしなくてもいい便利なものが増えている。私たちの生活は、肥満になりやすい環境です。でも、食べる楽しみがなくなってしまうのは寂しい! だからこそ、目指したいのは褐色脂肪細胞の活性化、つまりパワーアップさせることです。褐色脂肪細胞を知るために、まずは、どこにあるのか? を先生にお聞きしました。

「赤ちゃんは身体に広くあるのですが、成人では、肩甲骨や背骨の周り、首など背面に多く残っていることが確認されています(下の図を参照)」

背中に多くある褐色脂肪細胞

背中のつけ根 肩甲骨の周り 背骨の周り

褐色脂肪細胞をPET(陽電子放射断層撮影)で計測。首、肩甲骨の周り、背骨の周りに多くあることがわかっています

褐色脂肪細胞の有無を調べるには、がんなどの診断装置であるPETを使いますが、あくまで研究目的のみ。一般の検査はまだありません。ただ、食事をしたときのある変化が、褐色脂肪細胞の存在の手がかりになるかもしれません。それは、食事をして、身体が温かくなるかどうか、です。

「私たちが食事をすると、摂った栄養を消化・吸収するために必要な熱を生み出します。これを食事誘発性熱産生と言い、褐色脂肪細胞の働きが関係しているのではないか、と考えられています。身体が温かくなったり、汗をかいたりという体感があるのなら、もしかしたら褐色脂肪細胞が残っているのかもしれません」

熱を作るための材料になるのが、食事から摂った栄養の一部。つまりカロリーを摂取しながら、消費も行っているのです。褐色脂肪細胞がパワーアップすると太りにくくなるのは、食事誘発性熱産生が高まることともつながっていると考えられるのです。

白色脂肪細胞が“いい脂肪”にもなる!?

やはり味方につけたい褐色脂肪細胞。パワーアップさせる方法をお聞きすると……。

「寒さによる刺激が一番有効です。褐色脂肪細胞は体温低下を防ぐという生理的役割がありますから、寒さによって熱を生み出す力が高まるのです」

寒さによる刺激というのは、なかなか日常的にはとり入れにくいもの。それに代わる方法の研究が続けられています。

「寒さの刺激が、脳に伝わるとアドレナリンやノルアドレナリンという交感神経系のホルモンが分泌されます。それが褐色脂肪細胞に働きかけて熱を生み出すという仕組みです(下の図を参照)。ですから、寒冷刺激と同じようにノルアドレナリンやアドレナリンを分泌できるものであれば、褐色脂肪細胞をパワーアップできると考えられます。辛い食べものや運動も、寒さと同じように刺激になると考えられています」

褐色脂肪細胞が脂肪を燃焼する仕組み

褐色脂肪細胞が脂肪を燃焼する仕組み 食品刺激 寒冷刺激 交感神経 アドレナリン・ノルアドレナリン 褐色脂肪細胞 エネルギー消費アップ

寒冷刺激を受けたり、ある種の食品を摂取すると、その刺激が脳に伝わり、交感神経系のホルモンであるアドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。それが褐色脂肪細胞に働きかけると、脂肪を分解して熱を生み出し、エネルギー消費をアップさせます

そうしてさまざまな研究が続けられている中、ベージュ脂肪細胞という新たな脂肪の存在もわかってきました。白色脂肪細胞がベージュ化したもので、褐色脂肪細胞に似た働きがあるのだそう。

「褐色脂肪細胞をパワーアップさせるのと同じ方法で、白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に変えられるようだと言われています」

パワーアップできる上、イヤな脂肪をいい脂肪に変えられる? 効果があると考えられる食品や運動を、次ページから紹介します。

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