「歯のお手入れはどうしてる?」と聞かれたら、ほとんどの人が「毎日きちんと歯磨きしている」と答えるのではないでしょうか。しかしながら「今まで一度も虫歯になったことがない」という人は、まずいないのでは。しっかり磨いているつもりなのに虫歯になってしまう……。それは、もしかすると今のケアじゃダメだという証拠かも?正しいケアのあり方について一度きちんと見直してみませんか。
ホントは危うい自己流ケア
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ホントは危うい自己流ケア
できてる"つもり"が歯の未来を奪う!
ホントは危うい自己流ケア
歯磨きしても虫歯ゼロは無理!?
子どもの頃から歯磨きは欠かすことのできない習慣として日常生活に溶け込んでいます。厚生労働省の調べでは幅広い世代で、約7割の人が1日2回以上歯磨きを行っています。しかし、虫歯や歯周病に悩む人の数はなかなか減りません。虫歯有病者率は20歳でほぼ9割にのぼり、加えて、国民の8割が歯周病の危険性があるとも言えるそうです。毎日ケアをしているのに、虫歯や歯周病になってしまう。これはなぜなのでしょうか?
「きちんと磨いているつもりでも、虫歯や歯周病を防ぎきれていないということは、自己流ケアだけでは完全に原因菌を取り除けないということです」と、話すのは東京医科歯科大学の田上順次先生。今もひそかに虫歯や歯周病が進行しているのかもしれません。
本来、歯磨きは虫歯や歯周病の原因菌を取り除くことだけでなく、その先にある“歯の寿命を延ばす”という目的にまで意識が向けられているかが重要。磨き残しをなくそうと、ただ歯磨きの回数を増やすより、まずは、これまでのケアのあり方そのものを見直すことから始めませんか。
今のままのケアでは、歯を失う危険性も。
虫歯や歯周病が進むと、やがては歯を失うことになりかねません。
日本は世界有数の長寿国。平均寿命は年々延びています。しかし本当に大切なのはいつまでも元気に暮らせる“健康寿命”です。そしてその健康寿命に、"歯の寿命"は深く関係しています。食べる楽しみを満喫できる充実した人生は、健康な歯があってこそ、なのです。
自分ひとりで歯の健康を守るのは、簡単なことではありません。「毎日磨いているから大丈夫!」「虫歯は治してあるから問題ない!」……そんなふうに思っている人も、これをきっかけに、正しいケアとはどうあるべきなのか、どうしたら虫歯や歯周病を防いで、歯の寿命を延ばしていくことができるのか、ぜひ一緒に考えてみましょう。
歯も"健康寿命"を延ばさなきゃ!8020運動
今や世界有数の長寿国となった日本。歯の寿命についても忘れてはいけません。8020(ハチマル・ニイマル)は、1989年より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。歯が20本以上あれば食べる際に不都合がないため「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いが込められています。年を追うごとに達成率はアップしてはいますが、それでも約6割の人が目標以下。これも自己流ケアだけでは限界があるという証拠だと言えるでしょう。