かかとのガサガサやタコに魚の目……。「足もきちんとケアしたい」と思いながら、なんとなく自己流で続けているそのケア、実は間違っているかも?キレイを目指しているのに逆効果ということも!今回は足の専門医の永峯由紀子先生に、意外と知らなかった正しいフットケアを教えていただきました。
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しっかり削ってつるつるにすべき。
かかとがガサガサになるのは皮膚の乾燥と外的な刺激によって、厚くなった角質が原因。ガサガサするような不要な角質を削るのは正しいですが、皮膚が赤くなるほど削るのはダメ。削り過ぎてしまうと、刺激や雑菌から身体を守る働きが失われる上、再生しようとして角質がさらに厚くなってしまいます。濡れた状態だと削り具合の実感がなく、削りすぎる場合があるので、お手入れは入浴後、よく乾かしてから。やすりや軽石で一定方向にやさしくこすります。一気に削ろうとせず様子を見ながら、少し削り足りないくらいのところでやめておくのがポイントです。
かかとは足の裏でも特に硬くなりやすい部分。身体全体を支えている上に、歩く際もかかとから着地するため、より大きな刺激が加わることが理由です。かかとの硬さは、保湿で和らげることができます。保湿に必要なのは水分と油分なので、入浴後、吸収した水分を逃がさないように、油分が含まれているクリームを塗るといいでしょう。また、角質を削ったあとは、特に肌がデリケートな状態になり、傷ついたり乾燥しやすくなるので、保護する意味でも保湿が大切です。
タコや魚の目は、削れば治ったように見えますが、また再発する可能性があり、油断はできません。再発を防ぐには、原因を突き止め、根本から改善することが大切です。タコや魚の目ができるのは、合わない靴を履いていたり、歩き方のクセで同じ部分に体重がかかり続けることが原因の場合があります。形成外科や整形外科の中には足を専門的に診ているところもあるので、相談してみましょう。数は少ないですが、足の専門外来もあります。
水虫は白癬菌(はくせんきん)というカビが原因で起こる感染症。白癬菌は不特定多数の人が裸足で歩く場所に存在するので、年中発症のリスクは潜んでいます。家族に水虫の人がいれば床やバスマットを通じて、感染する場合があります。24 時間以上菌を付着させたままにしていると、菌が角質層の奥まで入り込んで発症する可能性が高まるので、1日の終わりに足を洗い流す習慣を持つ、一度履いた靴は、白癬菌の増殖を防ぐため風を通すなど、足や靴を清潔に保つことを心がけましょう。
さらに足裏の保護にも。
裸足で過ごしていると白癬菌が足に付着して水虫を発症しやすくなりますから、靴下は履いたほうがいいでしょう。菌の付着を防げる上、床との摩擦も緩和できるので角質が硬くなるのも防げます。ただ、長時間靴下を履き続けることで蒸れた状態にすると、白癬菌が繁殖しやすい環境になってしまうので、指の間は乾燥させるべき。絹やリネンなど蒸れにくい素材の5本指靴下がいいでしょう。
足にやさしい。
窮屈な靴はもちろん足に負担をかけますが、ゆるい靴もそれは同じ。靴と足の間に遊びができると、歩くたびに靴とぶつかって摩擦が生じ、黒ずみができやすくなります。摩擦などの刺激を受けると、身体を守ろうとしてメラニン色素を生成。それが蓄積されると黒ずみになるのです。靴選びの際には、足へのフィット感が重要です。
爪の白い部分をすべて切ってしまうと、すでに深爪の状態。短く切り過ぎたり、丸く整えると、歩くときに爪が皮膚に食い込んで、陥入爪や巻き爪の原因になります。指の腹を押して指と爪の先が同じになるところでまっすぐ切りましょう。爪切りだと余計な力がかかって切り過ぎにつながるので、ニッパーや爪やすりがおすすめ。入浴後、水分を含んで柔らかくなった状態がお手入れには適しています。
ペディキュアをしない日を一定期間作る。
ネイルカラーや除光液などは種類によっては化学薬品を含むものも少なくありません。爪の乾燥や、横じわ、二枚爪の原因にもなるので、ネイルをきれいに落として保湿をし、爪を休ませてあげることも大切です。また、爪の表面では水分の蒸散が繰り返されています。爪の水分量が多過ぎると自爪が弱くなるので、ネイルカラーは蒸散量が多い生え際2mm 程度を空けて塗り、余分な水分を出せるようにしましょう。
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