インフルエンザにまつわる 疑問Q&A
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インフルエンザにまつわる 疑問Q&A
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- 健康的な成人であれば、風邪と同様静養すれば治るものではあります。ただ、高齢者や子ども、成人でも基礎疾患があると、発症した場合に重症化しやすくなります。高齢者は細菌性の肺炎になる恐れがありますし、まれではありますが、子どもは脳症になる可能性も。インフルエンザが疑われる症状があれば、早めに病院へ行きましょう。
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- 大人と比べると子どもは免疫がまだ十分でないため、かかりやすい傾向にあります。さらに、保育園や幼稚園、小学校は子どもたちの密集度が高く、距離が近いので感染しやすい環境にあります。そういったことから、年齢別に見ると子どもの感染者は多くなるのです。
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- かかったことがないと感じる人はいるかもしれませんが、単に気づかなかったという可能性もあります。つまり症状が軽症だった場合、風邪だとして見過ごした可能性もあるということです。一般的には、成人までにほとんどの人がインフルエンザウイルスに感染していると考えられます。
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- 夏でもかかることはあります。世界レベルで見れば一年中インフルエンザウイルスは存在します。熱帯地域は一年中流行が続きますし、亜熱帯地域では、その地方の冬と雨季に流行する傾向があります。また、北半球、南半球では季節が逆になりますから、インフルエンザの流行も逆になります。このように、何らかの形でほかの地域からウイルスが持ち込まれて、夏でも日本で発症者が出ることもあります。
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- インフルエンザの予防接種では、不活化ワクチンといって、インフルエンザウイルスの感染性をなくして、免疫の獲得のために必要なウイルス成分を製剤化したものを注射しています。予防接種から感染することはありませんが、ウイルス成分(異物)を体内に入れるわけですから、異物を排除しようという免疫反応によって、熱が出ることがあります。熱が出るとつらい思いはしますが、免疫が働いている証拠だと言えます。
- インフルエンザの予防接種では、感染を防ぐことはできません。ワクチンを接種すると、ウイルスを異物として認識する抗体(免疫のもとになるもの)が、血液中に作られます。しかし、インフルエンザウイルスが侵入してくる鼻や喉には抗体がほとんどないため、感染を許してしまうことになるのです。ただ、体内に入ったウイルスが増え始めても、血中の抗体がウイルスを発見・攻撃します。それによって発症を抑えたり、ウイルスの増殖を抑えて重篤化を防いだりしているのです。予防接種をしても発症する理由はいくつかありますが、抗体によるウイルスの発見・攻撃が遅れたこと、抗体がうまく作られなかったこと、ワクチンに含まれるウイルスの【形*】が、流行しているウイルスの形と異なっていることなどが考えられます。
- 予防接種をして、免疫力が高まるまでに2~3 週間かかります。予防接種が始まる10月、インフルエンザが急速に広がり始める前の、11月の間に受けるといいと思います。
- ベストとは言えないかもしれませんが、無駄ではありません。インフルエンザワクチンの効力は4~6か月と言われています。流行は4月まで続くことがありますから、流行してからでも受けたほうがいいでしょう。
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インフルエンザワクチンに配合されているウイルス株は、ひとつではなく、4種。A型2種、B型2種が配合されています。次に流行が予測されるインフルエンザウイルスの【形*】に合わせて、A型、B型それぞれの種類を検討して、計4種を配合しているのです。それによって、どの型が流行した場合でも、対応できるようにしているのです。
*「形」とは、インフルエンザウイルスそのものの形ではなく、ウイルス表面上にあるタンパク質の形のこと。