閉経“後”5年を進むための正しい知識1・2
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閉経“後”5年を進むための正しい知識1・2
閉経“後”5年を進むための知識.1
閉経しても、
“男性化”することはありません
“男性化”することはありません
男性ホルモンも女性に必要なもの
「閉経後は、濃いヒゲが生えるなど男性のようになるという話を聞いたことがあるかもしれません。閉経によってエストロゲンが激減すると、男性ホルモンの代表格であるテストステロンが多くなるため、そのような話が出てきたのかもしれません。エストロゲンがとても少なくなるのは事実ですが、それによって男性化するなどということはありません。まず女性ホルモン、男性ホルモンと呼ばれるのは、それぞれの性別に多いからということだけで、エストロゲンもテストステロンも、男女ともに分泌されています。
テストステロンは、筋肉や骨量の増加を促すなどの働きがあり、エストロゲンとは相反する関係にあるように思われるかもしれませんが、実はエストロゲンの一部はテストステロンから変換されたもの。エストロゲンを作るための材料にもなっているのです。エストロゲンが十分に分泌されているときはテストステロンも十分に作られていますが、閉経後にエストロゲンが急激に減少しても、テストステロンの分泌はあまり変化しません。そのため、相対的にテストステロンのほうが多くなるイメージがありますが、急に増えて、働きが強くなるということではありません。もちろん、閉経後に濃いひげが生えるなんていうこともありません。閉経しても女性は女性のままです。月経という身体の仕組みが役割を終えたというシンプルなことなんです」
副腎で分泌されるテストステロンが、アロマターゼという酵素と結びつきエストロゲンに作り替えられます。
閉経“後”5年を進むための知識.2
これまでは
ボーナスタイム。
これからは努力した分の成果が現れるとき
ボーナスタイム。
これからは努力した分の成果が現れるとき
よい生活習慣を積み重ねましょう!
「閉経後は、肌や髪が変化し、血液中のコレステロールが増え、高脂血症になりやすく、さらに動脈硬化が進みやすくなります。また血管のしなやかさが失われると高血圧にもつながります。そう聞くと暗い気持ちになると思いますが、実は男性は、20代からすでにそういった状態になりやすいんです。エストロゲンに守られている期間がないため男性は20代にもメタボリックシンドロームが多くなるわけです。女性は10代から50代までの40年間、あらゆる病気にならないようにエストロゲンに守られています。その40年間はいわばボーナスタイム。なくなってからが、自分の努力の成果がきちんと現れるときです。
エストロゲンが分泌されている期間は、痩せにくいタイミングがあり、同じように運動をしても成果にバラつきがありますが、分泌がなくなれば、運動の成果はいつでも同じように得られるのです。これからは、がんばった分だけそのご褒美をもらえるようになると言えます。閉経後5年は特に食事、睡眠、運動など生活習慣が反映されるとき。よい生活習慣を積み重ねれば、ここから先もそんなに心配をすることはありません。『更年期を上手に乗り切れば、そのあともとても元気に過ごせる』と実感されている女性も多くいます。今の時代は更年期を快適に過ごすためにできることが、たくさんあります。人生はこのあとも続いていきます。正しい知識を持ち、長い人生を楽に過ごして行きましょう!」
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