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知っトク!?健康スキル

高血圧の原因!?冬の寒さには、命の危険も(3/3)

掲載号 vol.39

やっておきたい!冬の6つの血圧ケア

血圧を上げないよう室温を18℃以上に。

暖かく暮らすことは、これから長く生きる私たちにとってとても大切なことですが、リフォームなどで家を変えることは簡単ではありません。まずは日々の行動を変えてみましょう。

「冬をどう暮らすかが、血圧ケアには重要。まず、部屋の中の温度は、18℃以上に保つことが血圧の変動を抑えるためによいと言われています。エアコンなどの暖房器具を上手に使いながら、窓からの冷気を防ぐカーテンを使うなどして、部屋の温度を保つ工夫をしてみてください」

中でも注意すべきは、足元の温度なのだそうです。

「床上1メートルよりも、足元(床上10センチ)の温度変化のほうが、血圧をより上げることがわかりました」

暖房を使用している部屋でも床は10℃を下回ることが多いのだそう。廊下や洗面所、トイレなど暖房がない空間の床はさらに低温に。身体で感じる室温の差だけでなく、足が感じる床の温度差も、血圧を上げる大きな要因です。

コーヒーカップ、ろうそくコーヒーカップ、ろうそく

「先にお伝えしたように、足の裏には寒さを感知するセンサーがありますから、足を冷やしてはいけません。家の中を移動するときは、厚みのあるスリッパや靴下をはくようにしてください。血圧が上がり始める早朝は、室温が最も低いので、特に注意が必要です。実は、心臓や血管の状態が悪い患者さんには、ベッドのそばに簡易トイレを置いておくよう指導しています。早朝にトイレへ行くことは、それだけ危険なのです。明け方、ベッドから出るときはスリッパに加えて、何か羽織るものも忘れずに」

家の中でも水がある空間は特に温度が低いため、早朝は危険な場所。トイレや洗面所にはヒーターなどを置いておくのもいいでしょう。そして、手にも温度センサーがありますから、朝の洗顔は冷たい水ではなくぬるま湯で。

さらに、便秘がある人も気をつけるべきだと先生。

「いきむと血圧が上昇します。朝に、寒いトイレでいきむと悪条件が3つ重なることになります。血圧高めの人は、便秘の改善に努めましょう」

やっておきたい、冬の血圧ケア

血圧を上げてしまう家の中の寒さ。部屋ごとの温度差もよくありません。
減塩や運動に加えて、冬には冬の血圧対策を考えましょう。

  • 温度差が血圧に悪影響!→部屋を18℃以上に保つ

  • 床が特に冷える!→足元を温める

  • 手のひらにも温度センサーがある!→朝の洗顔は、ぬるま湯で

  • 水のある場所は室温が低い!→ヒーターなどで、温める

  • いきむと血圧が上昇する!→便秘を防ぐ

  • 検診などでの測定では不十分!→毎朝の血圧測定を習慣に!

早朝の血圧測定こそが血圧ケアの第一歩。

朝の血圧を把握しておくことも大事なのだそうです。

「家庭での朝の血圧測定は、大きな病気の予防に役立ちます。心筋梗塞を例にみると起床後1時間以内に最も発作が起こりやすくなっています。朝に血圧が上がるのは自然なことですが、上がり過ぎるのは怖いこと。そのためにも朝、起床後1時間以内の血圧を知っておくとよいのです(測定の方法は下を参照)。血圧を気にしている人はもちろん、気にしていない若い人も測定したほうがいい。年齢を重ねると、どうしても上がりやすくなりますから、若いうちから自分の血圧を知っておくほうがいいのです。やはり、予防に勝るものはありません」

この冬からは、減塩に加えて、寒さの対策と血圧測定を習慣に。それは、きっと未来の自分のためになるはずです。

体重を測るように、血圧も毎日測定を!

 体重を測るのと同じように、健康管理のために家庭での血圧測定も習慣にしましょう。
血圧計には、さまざまなタイプがあり、買い求めやすい価格のものも販売されています。

血圧を測るタイミング

  • 起床後、1時間以内に
  • 室温は18℃以上に
  • トイレを済ませた後に
  • 朝食の前に
  • 薬を飲む前に

血圧の測り方

  • 座った状態で、1~2分間リラックスしてから測定します
  • 血圧は計測するたびに数値が変動するため、2回測定する。1回目の後、30秒~1分間あけて2回目を測定
  • 家庭で5日間測定した血圧の平均値が135/85㎜Hg以上が高血圧。循環器科や内科を受診しましょう

この先生に聞きました!

苅尾 七臣 先生

苅尾 七臣 先生

かりお かずおみ

自治医科大学
内科学講座循環器内科学部門 
教授

自治医科大学卒業後、兵庫県北淡町国民健康保険北淡診療所内科、コーネル大学医学部循環器センター、コロンビア大学医学部客員教授などを経て、2009年より現職。高血圧、動脈硬化、老年病学が専門。日本循環器学会専門医、日本心臓病学会専門医

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