どうすれば幸せになれるのか。それを考える時間を持つ。
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どうすれば幸せになれるのか。それを考える時間を持つ。
4つの因子が幸福のカギに。
長続きする幸福は、心の要因による幸せが多く含まれた非地位財によるもの。でもそれは、カタチがないため実感しづらく、目指しにくいものです。そこで先生は1500人にアンケートし、幸福に影響する心的要因を分析。幸せになるための4つの因子を導き出したのだそうです。
「幸福に影響する要因は多くありますが、結局どれを満たせば幸せになれるのか? それを知りたくて幸せの因子分析を行いました。その結果わかったのが、幸せになるためには4つの因子を満たせばいいということです」
先生がわかりやすく名前をつけた、その4つの因子とは
- ①やってみよう因子
- ②ありがとう因子
- ③なんとかなる因子
- ④ありのままに因子
- (下の図を参照)
「①は、大きな目標を持って、そのために学習・成長しようとしていること。②は、人を喜ばせることや愛情に満ちた関係があること。③は、前向きで楽観的であること。④は、人と比較することなく、自分を持っていること、です」
PTA活動に参加することが、幸福度を上げるのも、理解しやすくなったのではないでしょうか。
「社会貢献活動への参加もひとつの方法ですが、まずは、好きなことをやる、そして人に会うことだと思います。やりたいことがあって仲間ができれば、自分を成長させようと思うでしょう。そして仲間に感謝し、仲間の役に立ちたい気持ちにもなると思います」
「やってみよう」「ありがとう」はできそうな気がします。でも「なんとかなる」と楽観することや、 「私らしく」とマイペースであることは、日本人にはなかなか難しい?
「日本人は苦手なことでも克服すべき、と思う傾向にあるようですが、できることだけ伸ばせばいいのです。【誰もが天才だ。しかし魚の能力を木登りで測ったら、魚は一生自分はだめだと信じて生きていくことになるだろう】というアインシュタインの言葉があります。魚は木登りなんかできませんから、求めても仕方がないことです。自分のできることを続けるうちに自信がついて、『なんとかなる』、『私らしく』とも思えるようになっていくはずです」
考える時間を持つ。それが幸福への一歩。
「夢はなんですか?」
取材中の先生の言葉に、私たちはハッとしました。しばらく考えたことがなかったからです。
「多くの人が、忙しくて“目の前のこと”ばかり考えているようです。特に子どもを持つ女性は、自分の夢を持っていない人が多い。私が家族とともにアメリカで生活していたとき、妻がお母さん仲間から『夢は何?』と聞かれたそうです。妻が『子どもを立派に育てること』と答えると、彼女たちは『それは夢じゃないわ、あなたの仕事よ』と。妻以外の女性にはそれぞれ夢があり、自分の夢を口々に語ったのだそうです。自分だけが夢を持っていなかったことに気づいた妻は、とてもショックだったと言っていました」
自分がどうありたいのか、どうなれば幸せなのか。それを考える時間を持つべきだと先生。確かにそれが幸福になるための一歩なのかもしれません。
「人生は一度きりです。自分の幸せをもっと追求しましょう」