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知っトク!?健康スキル

疲れがとれないあなたに!誰でもできる『呼吸力』を高める方法(3/3)

掲載号 vol.37

記事内容

読了時間:10分

大事なのは、楽しむこと:呼吸力を高める方法

大きな声で歌うのも、よいトレーニングに!

「呼吸には大いなる力がある」。呼吸法が基本となる、ヨガをやっている人なら先生のその言葉がよく理解できるのではないでしょうか。最近注目されているマインドフルネス(簡単に言えば瞑想のようなもの)も、姿勢を正して、呼吸に意識を向けるのが基本。集中力が高まる、ストレスが解消されるなどのほか、うつを防ぐ効果も期待されています。呼吸を変えるだけで、身体と心の健康作りになるのです。

「年齢を重ねれば、呼吸筋が衰えてくるのは、自然なことです。老化は避けられないものですが、そのスピードを緩やかにすることは誰にでもできます。ヨガやマインドフルネスも呼吸筋を鍛えるいい方法です。ほかにももっと気軽にできることもあります。肺から空気を出し切ることなら、なんでもトレーニングになります」

大きく声を出すこともよいトレーニングに。歌うことも大きな声を出すので効果的だそう。

「カラオケに行くのもいいですし、わざわざ出かけなくても家でだってできます。家でならお風呂で1~2曲歌うのがおすすめ。湯気は喉や肺にもやさしいので、ケアにもなります」

大きく声を出すことに加え、“声を長く出す”とさらによいそう。詩吟やお経を読むこともトレーニングになります。

「一語一語をテンポよく音読することで呼吸筋が鍛えられます。和歌や俳句などにとり入れられている、七五調リズムがある文章は、日本人の呼吸に合ったリズムだと私は考えています。家で、日本語の名文を音読するのもいいでしょう」

肺から空気を出し切る“吹く楽器”や、スポーツ吹き矢などもいいそうです。

「吹く楽器は、ハーモニカやピアニカ、オカリナやリコーダーなどが、気軽に始められる上、高齢者の身体への負担も少ないのでおすすめです。スポーツ吹き矢は、カルチャーセンターなど、できる場所が増えているようですよ」

大きな声で歌うのも、よいトレーニングに!大きな声で歌うのも、よいトレーニングに!

楽しんで続けることが呼吸のケアになる。

先生が紹介してくれたトレーニングは、簡単で、楽しめる要素があります。

「大事なのは、楽しむことです。そのトレーニングがストレスになってしまうと本末転倒。先ほど申し上げたように、呼吸と感情はリンクしていますから、心が楽しいと感じることも、呼吸のケアになるのです」

呼吸筋を鍛えることだけでなく、リラックスする時間を持つことでも、呼吸は変わるのだそう。

「ある高齢者施設で、不安度と呼吸数を計測しています。そこで高齢者に生け花をやってもらうと、呼吸が落ち着き、不安度が下がることがわかりました。生け花は月に一度だけなのですが、それでも継続することが心身にいい影響を与えているようです」

周囲の人の呼吸に気を配ることも、健康の輪を広げることになります。

「自分の呼吸は気づきにくいものですが、変化に気づくことはとても大切です。変わろうと思ういい機会になるのですから」

当たり前にくり返すだけだった呼吸。深く、ゆっくりした呼吸が大切だと気づけたなら、それはすでに健康への第一歩なのです。


この先生に聞きました!

本間 生夫 先生

本間 生夫 先生

ほんま いくお

東京有明医療大学 学長

東京慈恵会医科大学卒業。医学博士。昭和大学医学部第二生理学教室教授、東京有明医療大学副学長などを経て、2017年より現職。専門は呼吸神経生理学。昭和大学名誉教授。NPO法人「安らぎ呼吸プロジェクト」理事。著書に『すべての不調は呼吸が原因』(幻冬舎新書)、『心と体をラクにする 呼吸スイッチ健康法』(大泉書店)などがある

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