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知っトク!?健康スキル

『魚の医力』魚の栄養で健康に | DHAが認知症予防に役立つ(3/3)

掲載号 vol.35

記事内容

読了時間:9分

身体に効かせる魚介の摂り方 | 缶詰・かまぼこ・干物・魚肉ソーセージ

鮮魚だけでなく、加工品にも医力が!

魚の栄養を摂るには、やはり鮮魚が一番。そんな風に思っていませんか? 実は、缶詰やかまぼこ、魚肉ソーセージなどの加工品にも魚の医力はあるのです。

「EPAやDHAをより多く摂るなら、調理によって脂が落ちることのないお刺身がよいのですが、例えばツナ(まぐろ)の缶詰でも、煮汁ごといただけば、EPA、DHAを摂ることができます。かまぼこや魚肉ソーセージも、健康効果が見られたという報告がいくつもあるのですよ」

養殖よりも天然、干物は機械干しより天日干しのほうがいいもののように思えますが、そうとも言えないようです。

魚料理は難しい、手間がかかる。それに高い。魚をなかなか食べられないのは、もしかしたら思い込みなのかもしれません。加工品や養殖の魚も上手に利用すれば、魚食がぐっと、身近になるはず。

かまぼこが血糖値の上昇を抑える⁉
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今はあまり食卓に上らないようですが、かまぼこにも医力があります。スケソウダラのすり身が原料なので、EPAやDHAはあまり含まれていませんが、良質なタンパク質を摂ることができます。あのぷりぷりした食感ゆえに、添加物が多く使われていると思っている人も多いようですが、あれは魚肉タンパク質の性質によるもの。マウスを使った実験で、大腸がんの進行を抑えることができたとの報告もあります。ほかにも、かまぼこと一緒に砂糖を食べたマウスで、血糖値の上昇が抑えられたという報告も。カニカマや、はんぺん、ちくわなどもかまぼこに含まれます。酒の肴にしたりおかずにしたり、いろいろ試してみましょう。

干物のタンパク質は、鮮魚と同じ。
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〝魚は鮮魚が一番いい〟と思っているかもしれませんが、干物にももちろん医力があります。干したからといって、タンパク質の栄養価が減ることはなく、鮮魚のそれと変わらないのです。でも、干物は塩分がちょっと気になる?それもそこまで心配する必要はなさそう。かつては、長期保存のために、塩分濃度を高くせざるを得ませんでしたが、今は健康を考え、濃度を低くして作られています。

天日干しよりも、機械干しのほうがいい。
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干物は太陽の下で作られたものと、屋内で冷風乾燥機を使って作られたものがあります。〝自然の中で作ったほうがよいもの〟のような気がしますが、そうではないようです。天日干しをすると、紫外線を受けて魚の脂が酸化してしまうからです。少量であれば酸化した脂も体内で毒性が弱められますが、摂る量が多くなると細胞を老化させてしまいますから要注意。乾燥機を使った干物を選ぶほうがよいでしょう。

缶詰の魚も、EPA、DHAの質は同じ。
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せっかくの魚も、缶詰にすると栄養価が落ちるような気がしますが、これも干物と同様、変化することはありません。タンパク質の栄養価はもちろん、EPAやDHAも鮮魚と同じように摂れます。ただ、EPA、DHAをはじめ、ミネラルやビタミンは煮汁のほうに移っていますから、捨てずに利用したほうがいいでしょう。安価で長期保存もできる缶詰は、とても便利。さまざまな魚介の缶詰がありますから上手に利用しましょう!

養殖のほうがEPA、DHAが豊富。
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〝養殖よりも、天然のほうがいい〟。多くの人がそう信じているかもしれませんが、実は養殖のほうがEPA、DHAは豊富。いい餌を与えて太らせているので、その分脂が多くなるのです。天然ものに比べて手頃な値段で手に入る上、味もひけをとりません。医力を考えるなら、養殖を選んでもいいのでは?

真鯛可食部のEPA、DHAの含有量(mg/100g)真鯛可食部のEPA、DHAの含有量(mg/100g)
血合いの部分は、まるで「総合栄養剤」。
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ぶりやまぐろなどの血合い肉は、見た目が悪いこともあって捨ててしまいがち。あの赤い色はミオグロビンやヘモグロビンという色素タンパク質で、吸収のよい鉄分・ヘム鉄が含まれています。月経があることから、女性は特に不足しやすい鉄。捨ててしまうのはもったいない!ほかにもEPA、DHA、ビタミンB群、タウリンなども多く含まれていますので、苦手でなければ食べるようにしましょう。

いい脂が豊富な青魚が、毒になることも!
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いわしやぶり、さんまなどの青魚はEPA、DHAが多く含まれることで知られていますが、赤ちゃんや病気のある人は食べないようにと言われることがあります。これは、青魚の脂が酸化しやすいことが理由。ほかにも、鮮度が落ちると、ヒスチジンというアミノ酸が細菌の作用でヒスタミンとなり、アレルギーのような症状を起こす可能性もあります。青魚は新鮮なうちに食べるようにしましょう。

子どものおやつには魚肉ソーセージを。
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1つ前のページでもでも紹介したように、魚肉ソーセージにも医力があります。戦後の貧しい日本で、タンパク質を安価で摂れるとして重宝されていました。いったん人気は下降したものの、現在またその医力から注目されるようになりました。EPAやDHAを添加しているものもあり、常温で長期保存ができる便利なものですから、魚をあまり食べない子どものおやつにおすすめです。もちろん大人も小腹がすいたときなどにどうぞ。


この先生に聞きました!

鈴木 たね子 先生

鈴木 たね子 先生

すずき たねこ

国際学院埼玉短期大学 名誉教授
農学博士

日本おさかなマイスター協会講師。東邦大学薬学部卒業。水産庁東海区水産研究所(現・独立行政法人中央水産研究所)生物化学部長、日本大学短期大学部生活環境学科長教授などを経て、現職。『お魚をまいにち食べて健康になる』(キクロス出版)など著書多数

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