“長寿遺伝子”ここが知りたい!Q&A
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“長寿遺伝子”ここが知りたい!Q&A
正しく知れば、年をとるのもコワくなくなる!? 「長寿遺伝子」はどんなもので、どうすれば働くのでしょう?
これだけは知っておきたい、長寿遺伝子のQ&Aです。
Q1 長寿遺伝子ってそもそも何?
長寿遺伝子とは体内でとても重要な役割を担っている酵素で、細胞の損傷を防いだり、エネルギー産生に影響を与えます。最初に発見されたのは、酵母の長寿遺伝子「Sir2(サーツー)」で、ヒトには7種類の長寿遺伝子があります(下のコラム参照)。最近の研究で、長寿遺伝子と若々しさに関連があることがわかってきました。
Q2 長寿遺伝子は誰でも持っているの?
長寿遺伝子は、すべての人が持っています。その名称から「長生きの人だけが持っている」と思われがちですが、実は誰もが持っている遺伝子なのです。
Q3 長寿遺伝子は、どこにあるの?
長寿遺伝子は細胞の中にあり、ヒトでは10番目の染色体に存在しています。普通の生活では眠っている状態です。
Q4 長寿遺伝子はどうすれば働くの?
長寿遺伝子は、普段は細胞の中で眠っており、眠っているときは働くことはありませんが、活性化のためのスイッチが入ると、長寿遺伝子としての役割を果たします。長寿遺伝子を働かせるためには、そのスイッチをオンにする必要があるのです。
Q5 長寿遺伝子をオンにするためには、何をすればいい?
長寿遺伝子のスイッチを入れるために重要な方法は3つ。ひとつ目は、適度な運動。ふたつ目は、カロリー制限。さらに最近注目されているのは、長寿遺伝子を活性化させる抗酸化成分「レスベラトロール」を摂ることです。長寿遺伝子は、年齢にかかわらず働くので、3つの方法をうまく活用して、長寿遺伝子のスイッチをオンにしましょう。
長寿遺伝子Columnヒトの長寿遺伝子は7種類あることが判明。
2003年、アメリカの名門・マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ博士が、酵母の長寿遺伝子「Sir2」(サーツー)を発見しました。この大発見により、博士は「ノーベル賞(医学・生理学賞)に一番近い人物」と言われています。
ヒトでは現在SIRT1~7までの7種類が存在することがわかっており、それぞれ働きや存在する場所が異なります。
その中でも注目されているのが「SIRT6」。シワなどの皮膚の老化や、背中が曲がるなど、見た目の老化と関係が深いことがわかってきています。
今後数十年の研究の中で、寿命や老化と深くかかわる遺伝子が解明され、老化のスピードを遅らせたり、コントロールできる時代が訪れるだろうと期待されています。