自分次第で、未来は変えられる!
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自分次第で、未来は変えられる!
- 糖尿病は遺伝する?
- そうとは限りません。
自己管理で予防できます!
10年、20年後のために改善を始めましょう。
両親や親せきが糖尿病だと、「自分もきっと発症してしまう」と、心配になってしまうもの。糖尿病は、遺伝が大きな要因のように思われていますが、実はそうとは言い切れないのだそうです。 糖尿病の家族歴がある人はそうでない人に比べて糖尿病になりやすいことは事実ですが、遺伝するのは糖尿病そのものではなく、“ 糖尿病になりやすい体質” なのだとか。 「日本人の糖尿病者の99%が2型糖尿病。これは遺伝的要因のほかに、食生活や運動不足、肥満、ストレス、飲酒、喫煙など生活習慣が大きく影響します。遺伝的に引き継いだ“ インスリン分泌が低い体質” に、そういった生活習慣が加わることで発症しやすくなるのです。ですから2 型糖尿病の多くは、生活習慣次第で予防できる可能性が高いと考えられています」 糖尿病になりやすい体質であっても、生活習慣次第で予防ができるということ。また糖尿病を発症しても、生活習慣の改善で健康な人と変わらない生活ができるのだと先生。 「治療と並行して、バランスのとれた食事と適度な運動を心がけ、血糖値をコントロールすることができれば、健康な人と同じように元気で生活できます。私が診ている患者さんにも、何の合併症のない方も多くいるんですよ」 本ページ下で紹介しているのは、糖尿病の予防・改善に役立つアイデア。 「どれも簡単にできることばかりです。栄養バランスのとれた食事と併せて、食べ方の工夫もとり入れてください。また、運動も早く歩いたり、立つ時間を増やすことから始めましょう。糖尿病は怖い病気ではありません。今年の健診で血糖値を指摘された人も、治療を中断してしまっている人も、10 年後、20 年後のために、今すぐに改善に取り組みましょう」 自分だけでなく、大切な家族も。将来もずっと笑って過ごせるよう、今一度、糖尿病について考えてみましょう。- 適度な運動を、といってもなかなか取り組めないもの。それならまず歩くことから始めましょう。いつもの移動も、きびきびと早足で歩けば、いい運動に変化します。
- テレビを見るとき、新聞を読むとき、電話をするときなど、立つ時間を増やしてみましょう。それだけでもエネルギーを消費できます。その際、背筋を伸ばせばより効果的です!
- 糖尿病予防・改善の"切り札"と言われているのが食物繊維。水溶性と不溶性があり、水溶性は糖を包み込んで吸収を遅らせ、血糖値の上昇を穏やかにする働きがあります。不溶性は噛みごたえのあるものに多く含まれているので、食べ過ぎを防いでくれます。
- 食事の最初に野菜から食べ始めるのが、"ベジタブルファースト"。血糖値の上昇を穏やかにしてくれる食べ方です。野菜が含む食物繊維が、胃の中で網を張り、食べ物の糖を絡め取ってくれます。野菜のほか、水溶性食物繊維を含む海草、豆、こんにゃくも◎。
- 食べ過ぎは、すい臓を疲弊させインスリンの分泌を弱めます。またインスリン分泌が弱いと血糖値の上昇を抑えにくくなります。ですから糖尿病の予防・改善には食べ過ぎを防ぐこと。噛みごたえのあるごぼうや蓮根などの根菜は食べ過ぎを防いでくれる上、豊富な不溶性食物繊維が便秘も防いでくれます。
- 糖尿病の予防・改善に役立つ栄養素が、魚介類や豆類に含まれる「亜鉛」や「クロム」。これらはインスリンの材料になります。亜鉛は、牡蠣や納豆などに、クロムは鯖や昆布などに含まれます。
- 睡眠不足は、インスリンの働きを低下させる原因。7時間ほどを目安に良質な睡眠を。また原因は明らかになっていませんが、睡眠時間が長いことも糖尿病のリスクになるようです。寝過ぎにもご注意を。
- ストレスを受けるとアドレナリンが分泌され、血糖値が上昇。ストレスによって不眠や暴飲暴食を招くことも。ゆっくりリラックスする時間を作るなどして、ストレスをうまく発散させましょう。
- タバコに含まれるニコチンは毛細血管を収縮させ、高血圧を引き起こし動脈硬化を進行させます。高血糖はただでさえ、高血圧や動脈硬化のリスクを高めているので、そこに喫煙が加わるとさらにそのリスクが高まります。今すぐ禁煙しましょう。
- 近年、歯周病が糖尿病を悪化させる要因のひとつであることがわかってきました。高血糖が歯周病を悪化させやすくもします。しっかり歯磨き&歯科検診で、お口の健康も守りましょう。