Vol.11
思わず笑顔になる!
日本の旅をご紹介します。
世界遺産を歩いて巡り、古代に触れる奈良公園。
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世界遺産を歩いて巡り、古代に触れる奈良公園。
めまぐるしく変化する今を生きていると、ふと立ち止まってみたくなることがあります。新しいものは、常に刺激的。でも、長い時間をかけて育まれたものにも触れてみたい。〝古きもの″だけが持つよさを感じるために、約1300年の歴史を持つ古都、奈良を旅の舞台に選びました。
奈良は、建築、仏教、美術など、貴重な文化財の宝庫。観光名所として有名な奈良公園を訪ねるだけでも、東大寺、興福寺、春日大社と、3つの世界遺産を徒歩で巡ることができます。
この旅で会っておきたかったのが、〝奈良の大仏さん″と親しまれる東大寺の盧舎那仏像(るしゃなぶつぞう)。〝命あるものすべてが栄える世の中に″と願う聖武天皇が、同じく幸福を願う人々とともに、9年を費やして作り上げたのだそうです。完成から1263年。その間大仏は二度焼損しながらも補作され、今もなお当時作られた部分が一部残っています。テレビや雑誌で見るのとは違い、目の前にするとその大きさや美しさに息を飲むほど。大仏作りに携わった、人々の思いが伝わってくるようで、心が震えました。
歴史ある建造物を見ることは、その価値を知ることだけでなく、その背景や歴史、作った人、それを今に伝える人など、さまざまな人の思いを感じられることも魅力なのかも。世界的セレブリティも訪れた『奈良ホテル』でお茶をいただきながら、そう感じました。
室町時代から続く神事「万燈籠(まんとうろう)」。現在では節分とお盆に、皇室をはじめ、広く一般から奉納された約3000基の燈籠に火が灯されます
古代から庶民信仰の厚い世界遺産の大社を詣でる。
春日大社
春日山原始林とともに世界遺産に登録。768年、勅命により平城京の守護のために創建。一之鳥居から続く参道脇には、約2000基の石燈籠が、本殿の周辺には約1000基の釣燈籠が並びます。
●奈良市春日野町160 ☎0742-22-7788 拝観時間/6:00~18:00(4〜9月、10〜3月は6:30〜17:00) 拝観料/境内自由、本殿特別参拝¥500 アクセス/JR・近鉄奈良駅よりバス乗車、「春日大社本殿」下車すぐ
大仏殿の中心に安置されている本尊、盧舎那仏像。その高さは14.7m
一度は会っておきたい” 奈良の大仏” さん。
東大寺
奈良時代に聖武天皇が建立した東大寺。世界最大級の木造建築である大仏殿、金剛力士像が両脇から睨む南大門など、国宝級の建造物を見ることができる世界遺産です。
●奈良市雑司町406-1 ☎0742-22-5511 拝観時間/7:30~17:30(4〜9月)、7:30~17:00(10月)、8:00~16:30(11〜2月)、8:00~17:00(3月) 入堂料/¥500 アクセス/JR・近鉄奈良駅よりバス乗車、「大仏殿春日大社前」下車徒歩5分
シンボルの東金堂(とうこんどう)と五重塔
南円堂は西国三十三所観音霊場の第九番札所
創建1300年を誇る、開かれたお寺。
興福寺
藤原氏の氏寺であり、南都七大寺として興隆した寺院で、創建1300年を迎えた世界遺産。境内を囲む塀がなく、気軽に立ち寄れます。奈良時代の傑作、阿修羅像が見られる国宝館も見逃せません。
●奈良市登大路町48 ☎0742-22-7755 拝観時間/9:00~17:00(入館〜16:45) 拝観料/¥600 アクセス/JR奈良駅よりバス乗車、「県庁前」下車徒歩すぐ、近鉄奈良駅から徒歩約5分
カフェラウンジから望める、四季折々に移り変わる眺望も魅力
かの有名スターも訪れた明治42年創業のクラシックホテル。
奈良ホテル
関西の迎賓館として、かつてはチャップリンやO・ヘップバーンなど国内外の賓客が訪れた由緒あるホテル。桃山御殿風桧造りの本館、カフェラウンジでのティータイムで優雅なひとときを。
●奈良市高畑町1096 ☎0742-26-3300(代) 営業時間/ティーラウンジ8:30~18:00(18:00以降はバー営業) 無休 アクセス/JR奈良駅よりバス乗車、「奈良ホテル前」下車徒歩すぐ、近鉄奈良駅から徒歩約15分
入り口からすごい迫力。国や時代、表情さまざまな仏像がズラリと並びます
奈良国立博物館 なら仏像館
なら仏像館
飛鳥から鎌倉時代までの仏像を数多く展示。明治27年(1894)築の建物は、奈良で初の本格的洋風建築です。また仏像の展示内容は、国内の博物館で最も充実したものとなっていて見どころたっぷり。