口臭・虫歯予防のカギ!唾液のパワーと増やす習慣
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口臭・虫歯予防のカギ!唾液のパワーと増やす習慣
唾液が減る「ドライマウス」
何らかの要因で唾液の分泌が悪くなり、口内が乾燥してしまう状態をドライマウス(口腔乾燥症)といいます。唾液が減ると口内の雑菌を十分に洗い流すことができなくなったり、唾液が持つ抗菌作用が弱まって細菌に感染しやすくなります。また、唾液の洗浄作用が落ちると虫歯や歯周病になりやすく、歯周病菌が血管に入り込むことで動脈硬化などを引き起こす可能性もあると言われています。口臭がきつくなるのも、洗浄作用の低下が原因。しょっちゅう喉が渇いたり、口の中がネバネバ感じるなら、それは危険信号。ドライマウスの可能性があります。
唾液を増やす習慣をつけよう
唾液はストレスや生活習慣など、さまざまな原因で減少しますが、増やすことが可能です。そのポイントは筋力。筋力は、年齢を重ねてもトレーニング次第で鍛えることができます。しかも、口のまわりの筋肉は、比較的つきやすいと言われています。普段からおしゃべりするときはハキハキと。豊かな表情を心がけたり、シュガーレスのガムを噛むことも効果的。バスタイムに、以下トレーニングを行うのもおすすめです。
だ液の分泌を促す簡単トレーニング。
顔にはたくさんの筋肉がありますが、普段よく使うのはそのうちの2~3割程度です。この割合を少しでも増やし、鍛えることで、だ液の分泌が促進されます。洗顔や歯磨きの後や入浴中など、毎日どこかで時間を作り、できれば鏡を見ながらトレーニングしましょう。
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「イー」と発音する口の形で口角を上に引き上げるようにし、上の前歯を見せるようにする。次に口をすぼめて「ウー」と発音する。「イー」「ウー」をゆっくり繰り返す。5~8回程度、1日2回が目安。
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姿勢を正して「オー」と発音しながら、5秒ほど上の唇を強く前歯に押しつける。そしてゆっくり「ウー」と発音する。5~8回程度、1日2回が目安。
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背筋をのばして鎖骨のあたりに片手を置く。唇に力を入れて「イー」の口をして口角に力を入れて笑う。上向き、下向き、左向き、右向きをそれぞれ10回、1日に2回が目安。
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上唇だけを、痛みを伴うくらいしっかりとふくらませる。1回につき10秒を3回。1日2回が目安。
キチンと朝食を食べよう
朝食を抜くと、空腹による口臭も発生しやすく、噛む・飲むという作業が減ることから唾液が不足し、流れが悪くなります。一日の始まりの食習慣を充実させることは、口の機能改善にとても重要。朝食におすすめなのは和食です。ご飯や焼き魚など噛みごたえのあるものが多く、唾液分泌効果が高いと言われています。
食後には口内を食事前に戻す
「お口直し」を
“お口直し”とは、僧侶の食事や茶懐石でとり入れられているもので、食後に白湯などで口内をすすぎ、米粒ひとつまで残さず味わうという作法です。これにならって、つまようじなどで歯の間にある食べかすを取り、お茶や水で頬の間、舌の上をきれいにしましょう。文字通り、口内を食事前の状態に直す(戻す)こと。これが、食後に行うべきオーラルケアです。
ついしていませんか?
うつむく姿勢に要注意
スマホやパソコンを使うと、長時間下を向くことになり、唾液の流れが悪くなります。うつむいた姿勢になる場面は、読書や勉強、料理や買い物などの生活の中に意外に多くあります。長く目線が下を向いていると感じたら、45度上を向くようにしましょう。そうすると嚥下(えんげ)反射が起き、唾液が流れ出します。併せて、水を飲むとより効果的です。