食事を制限したり、運動したり、とがんばっても続けるのが難しい「ダイエット」。実は単にカロリーだけを減らした食事は、ダイエットには逆効果になってしまうこともあります。そこで、食事で注意したいことや、睡眠や運動、無理なく実践できる、健康で美しい身体をつくるダイエットの秘訣をご紹介します。
カロリー制限はNG!?きちんと食べて『ダイエット』!
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カロリー制限はNG!?きちんと食べて『ダイエット』!
身体に必要なカロリーの不足は、痩せるどころか、痩せにくい体質につながります。ダイエットのためには、単にカロリーを制限するのではなく『カロリーを正しく知って、しっかり摂ること』が大切です。
知っておきたい
カロリーとの上手な付き合い方
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カロリーとは水1g(㎖)の温度を1℃上げる熱量のこと。食品に含まれる栄養素の中でも、糖質、タンパク質、脂質の三大栄養素だけがカロリーを持ち、それぞれのカロリーも違います。1gあたりのカロリーは、糖質とタンパク質が4kcal、脂質が9kcal。したがって、同じ量であっても、食品が変われば含まれるカロリーも異なります。
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1日の必要摂取カロリーは、身長(m)×身長(m)×22で算出される標準体重に、25〜30をかけた数値と言われています。しかし、適切な摂取カロリーは、性別、年齢、生活環境によって人それぞれ。「誰もが守るべき数値」ではないので、あくまで目安程度に考えましょう。
(例)身長160cmの人の1日の必要摂取カロリー
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痩せるためには消費カロリーよりも摂取カロリーが下回るようにすればよいと思うかもしれませんが、摂取カロリーを減らした食生活を続けると、カロリーを消費するために必要なエネルギーまでもが減ってしまいます。一時的に体重が減ることもありますが、エネルギー不足から身体が脂肪を蓄えようとするため、太りやすくなってしまうのです。
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確かに脂肪の多いお肉は控えたほうがよいのですが、赤身肉は高タンパク質な上、鉄分などミネラルやビタミンB群といった、代謝を高める成分が凝縮されています。特に、脂肪燃焼を高める“L-カルニチン”が豊富に含まれています。健康のためにも、手のひらサイズの赤身肉を、週に2~3回摂るのがおすすめです。
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食事をすると、消化・吸収のためにカロリーが消費されます。消費されるカロリーは糖質や脂質よりもタンパク質のほうが多いため、例えば同じカロリーのステーキとケーキなら、タンパク質が豊富なステーキのほうが、糖質や脂質が多いケーキより太りにくいと言えます。また、噛んだり胃腸を動かすことでもカロリーは消費されます。消化・吸収しやすい食品と、噛みごたえがあって消化に時間がかかる食品とでは消費カロリーが異なり、太りやすさも変わるのです。
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炭水化物にもさまざまありますが、お米を水で炊くご飯は水分を多く含んでいて、食べたときの満足感があり、必須アミノ酸や食物繊維も豊富。一方、パンは腸や脳の働きを乱すグルテン、脂肪になりやすいショートニングがたっぷり。同じ炭水化物でも、パンに比べてお米の方が太りにくく、ヘルシーな食品と言えます。
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油に多く含まれる脂質はカロリーが高め。とはいえ、人間の身体に欠かせない重要な栄養素です。脂質は身体を温める効果が高く、ホルモンバランスを整えたり、お肌のバリア機能を上げたり、心臓などを動かすエネルギー源となったり、大切な役割を果たします。また、脳を構成する成分の50%以上が脂質。カロリーが高いからといってむやみに控えるのではなく、脂肪燃焼を高めてコレステロール値を下げる“オメガ3系脂肪酸”と呼ばれるエゴマ油やしそ油、亜麻仁油を積極的に選びましょう。また、旬の魚にもオメガ3系脂肪酸(DHA、EPA)が多く含まれています。
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100㎖当たりのカロリーが5kcal未満であれば“ゼロカロリー”、また100㎖当たりの糖類が0.5g未満であれば“ノンシュガー”と表記できます。これらの商品の甘味の元は人工甘味料。人工甘味料を摂ると脳は糖と勘違いしてエネルギーに変えようとしますが、肝心の糖が含まれていないためエネルギーは生まれません。その結果、より多くの糖を求め、甘い物への依存を高める危険性も。カロリーはあっても、甘いものは“心の栄養”として摂るようにしましょう。
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- ダイエットに役立つ
「カロリーの知識」の詳細はこちら - カロリー制限では痩せない!?低カロリーの落とし穴とは
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- 取材協力・記事監修
- 伊達 友美 先生
日本抗加齢医学会 認定指導士