ヨーグルトにまつわる 疑問Q&A
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ヨーグルトにまつわる 疑問Q&A
- ヨーグルトにはどんな乳酸菌が入っているの?
- ブルガリアでヨーグルト作りに使われてきたブルガリア菌(ラクトバチルス・ブルガリカス)、サーモフィラス菌、人の腸内で重要な役割を果たすビフィズス菌(ビフィトバクテリウム)のほか、ガゼリ菌などが入っています。ヨーグルトの種類によって乳酸菌の種類も違います。
- 乳酸菌は生きて腸まで届いているの?
- 乳酸菌は酸に弱く、ヨーグルトの乳酸菌はそのほとんどが胃酸で死んでしまうと言われています。しかし近年、死んでしまった乳酸菌(死菌)も健康にいい働きをすることがわかりました。どのような効果があるのか詳しくはQ3 で。
- 乳酸菌が死菌であっても、健康にいいと言われるのはなぜ?
- 19 世紀後半、ブルガリアに住む人はヨーグルトをよく食べていて、長寿であるということから乳酸菌が腸にいい影響を与えていることが発見されました。ただし当時は生きた乳酸菌が腸に働きかけて長寿になると思われていました。ところが近年、生きた菌(生菌)だけでなく、「死菌」が腸管にある免疫システムを刺激して、免疫力を上げることがわかりました。
- 腸に元々ある乳酸菌は年をとるとどんどん減るの?
- 少し前まで、加齢とともに乳酸菌は減少すると思われていましたが、近年ヨーグルトなどの発酵食品から摂った乳酸菌(生菌・死菌ともに)の刺激によって、その量も増えることが報告されています。摂取した菌は定着しにくいので、毎日食べ続けることが大切です。
- 腸内の乳酸菌が活性化するとどういいの?
- 腸内の二大善玉乳酸菌であるラクトバチルスとビフィズス菌が増えて、活発に活動すると、免疫効果がアップするだけでなく、蠕動(ぜんどう)運動を促すのでお通じにも効果があると言われています。
- 自分に合ったヨーグルトの選び方は?
- 腸内には1000 種以上約100 兆個(約1.5kg !)の腸内細菌がいて、腸内フローラと呼ばれるお花畑のような状態を形成しています。腸内細菌は人それぞれ違うので、ヨーグルトの効果には個人差があります。同じものを2週間ほど続けて食べて、カラダの調子と照らし合わせて選ぶことをおすすめします。
- いつ、どれだけ、何と食べればいいの?
- 摂取のタイミングについてのデータはありませんが、1日100g 以上食べた方がいいと言われています。腸内にいる乳酸菌のエサとなるオリゴ糖やはちみつと一緒に食べるとより効果的です。
- 誰が食べてもいいの?
- 乳製品アレルギーがなければ、幅広い年代にヨーグルトはおすすめです。免疫力をアップするという観点から、免疫力の弱い子ども(離乳食を食べ始めた幼児からOK)と高齢者はより積極的に摂るといい食品です。
- 冷凍、加熱したヨーグルトでも効果は同じ?
- ヨーグルトを冷凍しても健康への効果は変わりません。死菌が免疫力を上げることは分かっていますが、加熱による死菌がそれと同じ効果があるかどうかはまだ確認されていないので、効果を期待するなら、加熱しない方がいいでしょう。
- ヨーグルトから出る水は捨ててしまってもいい?
- この水はホエイ(乳清)と呼ばれていて、良質なタンパク質やビタミン・ミネラルが溶け込んでいるので、捨てずに混ぜて食べましょう。製造日から日が経つにつれて多く分離するので、ヨーグルトはなるべく早いうちに食べることをおすすめします。
ヨーグルトとその仲間
国際的には「ヨーグルトとは乳及び乳酸菌を原料とし、ブルガリア菌とサーモフィラス菌が大量に存在し、その発酵作用で作られた物」(1977 年WHO 制定)と定義されています。しかし日本では、もう少し広い意味で乳を発酵させたものをヨーグルトと呼んでいる場合もあります。ヨーグルトのような発酵乳は遊牧民を中心に古くから食べられてきたもので、世界各地に発酵乳を食べる習慣が残っています。