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ふふふなコラム

家庭用の目薬を世界中に!ロート製薬の目薬開発

掲載号 vol.

vol.7

ロートのハートロートのハート

「ロート製薬といえば、目薬を作る会社」。そう感じている人も多いかと思います。現在の社名は、実は、初めて作った目薬の名前に由来します。目薬の誕生から、現在の取り組みまで。代表取締役会長兼CEO・山田邦雄がお伝えします。

記事内容

  • 目薬を作ること。
    これまでと、これから。

読了時間:4分

目薬を作ること。
これまでと、これから。

医科向けでなく家庭用の目薬を。
ロート製薬の歩み。

これまでご愛読いただきました、この「ロートのハート」は今回が最終回。お伝えしたいことはいろいろありますが、多くの方が「ロートと言えば、目薬!」とお感じだと思いますので、今回は目薬に関するお話をさせていただきます。

ロート製薬は、前身に山田安民薬房があり、1899年に創業しました。最初の商品は「胃活」という胃腸薬。目薬を発売したのはその10年後で、「ロート目薬」という商品名で発売しました。処方の監修をお願いした井上豊太郎博士(当時の日本の眼科医の権威!)の、恩師にあたるドイツ人、ロートムント博士のお名前をいただいたという話が伝わっています。現在の社名は、この目薬が由来。社名から商品名をつけたと思われたかもしれませんが、実はその逆。当時の製薬会社は、創業者の名前をつけることが一般でしたから、商品名(しかもカタカナの!)を社名にするというのは相当斬新だったようです。

当時の「ロート目薬」は、ガラス瓶に入った薬液を棒のようなものにつけて目にたらすという方式でした。昭和に入ってからは、一方に点眼ノズル、もう一方にゴムのポンプをつけた両口瓶(いわゆるスポイトです)を、ロートの二代目社長である山田輝郎(私の祖父にあたります)が考案し実用化しました。昭和30年代までこの形式の製品を作っていたので、ご存知の方もおられるかもしれません。その後、目薬瓶はプラスチック製が主流となり、現在では色も形もおしゃれな容器が一般的になっています。ロートは、使いやすくかつ見た目にもきれいな容器の開発で、業界をリードしてきました。ちなみに海外では、病院でもらう目薬のようなシンプルな丸い容器がほとんど。デザイン性の高い容器は、日本独自のユニークなものなんですよ。

ロート製薬は、前出の二代目社長の方針で病院向けの薬は手掛けず、一般用に特化して事業を進めることを選択しました。一般の方が、日常で必要とする目薬の開発に注力すべきだと考えたのです。疲れ目に総合的な効果があるVロートシリーズ、メントールを配合したスキッとしたさし心地のロートジーシリーズ、花粉症の時期には欠かせないアルガードシリーズ、コンタクトレンズ使用者向けのCキューブシリーズなど、今や約60種類の商品があります。そして今年はあらゆる目のトラブルに効果が期待できる、有効成分12種類配合「Vロートプレミアム」という商品を発売し、ご好評をいただいています。日本に加え、海外、特にここ数年ではアメリカでのROHTOブランド目薬販売にも取り組んでいます。おかげさまで、日本の一般向け目薬ではシェアナンバーワンを獲得。2014年には、年間売上ナンバーワンというギネス世界記録をいただきました。

ロートが手掛けるアイケアは、目薬だけではありません。洗眼薬やサプリメントなどにも力を入れています。あまり知られていないかもしれませんが、各種コンタクトレンズも20年近く手掛けていて、その品質のよさから根強いファンを獲得しています。そして今年は、カラーサークルレンズも発売。良質でデザイン性にも優れたものになっています。これからはナチュラルな目のおしゃれを、気軽に楽しめる時代になっていくと思います。

山田邦雄

代表取締役会長兼CEO 山田邦雄

世界に目薬の普及を!
目の疾患の治療にも貢献したい。

アイケア製品を作ることに加えて、海外での目薬の普及活動をしていかなければならないと考えています。欧米諸国には、日常生活で目薬をさすという習慣がない国がまだまだ多くあります。開発途上国には目薬のニーズがあるのによい製品が少ないということもあります。こうした国々では眼科医の力を借りながら、目の検査や知識の普及のためのキャラバン活動も精力的に行っています。今後も、各国の事情や薬事規制にも合致したさまざまな目薬を、世界中に届けたいと考えています。

また、開発途上国では、白内障によって失明する人が多くいます。この問題にも取り組んでいる最中です。白内障は、先進国で普及している手術で救うことができます。ロートは手術の際に使う眼内レンズの製造も手掛けていますが、これはビジネスだけではなく、現地の先生方と協力して、無償の手術の普及にも取り組んでいます。

次号からは、目にまつわるロートの想い、活動をお伝えする企画がスタートする予定です。どうか、これからのロートのアイケア分野における活躍も、ぜひ見守っていっていただければと思います。

  • 1909年に発売されたロート目薬。当時は、薬液を棒につけ目にたらすという方式でした。
  • 色も形もさまざまなロートの目薬。より使いやすく、常に持っていたくなるようなおしゃれな容器に進化しています。
  • 開発途上国では、白内障が原因の失明が深刻。無料眼科検診を行うなど、目の大切さを伝える活動を続けています

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