なかなか消えない、ネガティブな感情。目を背けず、向き合うことが、実は解決への近道です。認定心理士が、“感情の奥に隠れた気持ち”について綴ります。
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大学生の娘にイライラするんです。
認定心理士の堀もとこです。私は市の相談事業やカウンセリングを通じて、年間200人以上のお悩みをお聞きしています。そのさまざまな相談事例をもとに、感情の奥にある“本当の気持ち”を紐解いていきます。
今回ご紹介するのは、大学生の娘さんを持つお母さんからのご相談。約束を守らない、自立心がない、といった娘さんの行動にイライラしています。実は、このイライラの奥底には、寂しさが隠れていました。心理学では、出来事に対して最初に生まれる感情を【一次感情】と呼びます。寂しさや不安、悲しみ、傷つきなどがそれに当たります。そしてその次に生まれるのが【二次感情】。イライラや怒りなどがそうです。一次感情が強いほど、二次感情は強く表現されます。なぜなら人は、寂しさや不安をそのまま感じるよりも、怒りとして表したほうが自分を守れるからです。自分を守ろうとして、別の感情で最初に生まれた感情を隠してしまうのです。
お母さんの一次感情が寂しさだと確信したのは、次のようなやり取りがきっかけです。私が「ひとり暮らしになると、心配が増えますね」と伝えると、お母さんは語気を強めてこう言いました。「そうなのよ! 外食やお弁当ばかりだと栄養が偏るでしょう? 今までは私が何とかできたけど、これからはひとりなんだから」。この言葉の奥に「もう何もしてあげられない」「離れたくない」という、切ない一次感情が隠れているのを感じたのです。そう伝えると、お母さんはハッとして「そうか、私、寂しいんですね……」と、静かに涙を流しました。
お母さんにとって、娘さんが離れていく寂しさを認めることは、自分の役割が終わってしまうような怖さがあったのでしょう。そのため、本当の気持ちとは逆の態度をとって、自分の心を守ろうとしたのです。
もし、あなたが怒りやイライラに悩まされているなら「私の一次感情は何だろう?」と問いかけてみてください。弱さを認めるのは勇気がいりますが、それが解決の近道になることもあるのです。














