病院に行くほどではないけれど、「何とかしたい!」困りごとに、薬剤師の小原先生が、役立つアイテムやアイデアをご提案します!
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今号のお悩み
教えて!薬剤師さん
高齢の母は、複数の病院、診療科を受診しています。
処方薬がかなり多くこんなに飲んで大丈夫?と心配です。
タカコ・55歳
お答えします!
そういう時こそ、薬剤師に相談を。
薬を適切に管理するための、心強い存在になります。
(小原 道子 先生)
5種類以上の服用で転倒のリスクが!
受診先が増えると、処方薬が増えてしまうことは珍しくありません。薬は身体をよくするためのものなのに、あまりにも量が多いと心配になってしまいますよね。必要以上に薬が増えてしまう状態は【ポリファーマシー(多剤服用)】と呼ばれ、近年問題視されています。副作用や飲み合わせの影響で、ふらつきや眠気などが起こりやすくなることから、5種類以上の薬の服用で、転倒のリスクが高まると報告されています*。
こうした問題を防ぐために重要な役割を果たすのが、薬の専門家である薬剤師。薬剤師はあらゆる診療科の薬について知識を持っていますから、処方された薬の内容を横断的に確認できるのです。薬剤師のサポートを受けながら、処方薬を管理していきましょう。
そのために大切なのが、かかりつけ薬局を持つこと。薬局では、“薬のカルテ”ともいうべき【薬歴】を患者ごとに作り、処方薬や相談内容を記録しています。複数の薬局を利用していると、薬歴も複数になり、薬全体の管理が難しくなります。しかし、かかりつけ薬局を持てば薬歴が一か所に蓄積され、薬剤師が重複や飲み合わせの問題を確認しやすくなります。必要があれば、薬剤師から医師へ確認してもらえます。
薬の内容だけでなく、飲み方についても相談してみてください。副作用はないか、飲み忘れはないか、薬が余っていないか。そういったことも薬剤師は薬歴に記録しています。例えば、朝忙しくて飲み忘れが多くなるといったようなことも、薬剤師にとっては重要な情報。飲みやすいタイミングに変更できないか医師に確認してくれたり、無理なく続けられる服用方法を提案してくれることもあります。
それから、お薬手帳も活用しましょう。かかりつけ薬局を持てば薬歴が蓄積されますが、新しい医療機関や、別の薬局を利用することになった時でも、薬に関する情報を共有することができます。また、災害時、緊急搬送された際などに役立ちますから、服用しているお薬の大切な記録として持っておきましょう。
*Kojima T, Akishita M, et al. Geriatrics & Gerontology International, 2012; 12(3): 425-430.
薬剤師がお家薬を確認。ブラウンバッグ運動。
今お家にあるお母さまのお薬を、薬剤師にチェックしてもらうこともできます。このとり組みは【ブラウンバッグ運動】と呼ばれるもので、処方薬だけでなく市販薬やサプリメントもすべて確認してくれます。薬剤師はそれらの重複や飲み合わせ、使用期限を確認、余っている薬があれば、次の処方を減らすよう医師に提案してくれることもあります。かかりつけ薬局がない場合は、お近くの薬局で相談してみてください。
お薬は適切に使ってこそ、その効果を得られるものです。薬剤師のサポートを、お母さまご自身、そしてご家族であるタカコさんのために役立ててください。
適切な薬の管理のために!
かかりつけ薬局を持ちましょう。
【かかりつけ薬局のメリット】
1|重複の防止。
複数の医療機関で処方された薬をまとめて確認、同じ作用の薬が重なっていないかをチェックしてくれます。
2|飲み合わせを確認してくれる。
薬やサプリメントなどの相互作用を確認してくれます。副作用のリスクを防ぐことができます。
3|医師と連携している。
薬の重複や副作用が疑われる場合、医師に確認してくれます。処方の見直しにつながることも。
4|飲み方を相談できる。
飲み忘れが多い、錠剤が飲みにくいなど、生活に合わせた飲み方を相談することができます。
5|処方量を調整してくれる。
飲み残しの薬を確認し、次回の処方量を調整してくれることも。不要な薬を減らすことにもつながります。
お薬手帳を活用しましょう。
【お薬手帳を持つメリット】
1|重複の防止。
複数の病院にかかっている場合、飲み合わせや、成分の重複を防ぐことができます。
2|薬代が安くなる。
お薬手帳の持参で、会計が数十円ほど安くなります。3か月以内に同じ薬局の利用があるなど条件があります。
3|非常時に役立つ。
災害時や救急搬送時など、医療者に服薬状況を正確に伝えられる手がかりになります。
4|家族も確認できる。
付き添いで医療機関を受診する場合など、本人に代わって服薬状況を説明するのに役立ちます。
次号からは、小原先生の新しい連載がスタートします。ご期待ください!















