スギやヒノキの時期には、毎年花粉症に悩まされている人も多いのではないでしょうか。マスクや薬が手放せず、憂鬱に感じてしまいますよね。最近では花粉症に悩まされているのは大人だけでない様子。0歳〜16歳の子どもを持つ親を対象に「子どもの花粉症」についてロート製薬がアンケート調査を行ったところ、33.4%が「子どもが花粉症だと思う」と回答したのです。2012年の調査で25.7%だった結果と比べると、約8%増加していることがわかりました。これは医師の診断ではなく親御さんの実感による数値ですが、実際のところ、子どもの発症率は増えているのでしょうか。また、子どもの花粉症対策として効果的なものは?
医師も「子どもの花粉症患者が年々増加傾向」
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医師も「子どもの花粉症患者が年々増加傾向」
日本小児アレルギー学会評議員・理事である末廣豊医師は、「子どもの花粉症患者は年々増加傾向にある」と話します。それと同時に「低年齢化が目立つ」点を指摘。この傾向は今後もさらに続くようです。
アンケートでも「子どもの花粉症を実感している」と回答した対象者にその発症年齢を聞いたところ、0歳〜5歳までが45.5%、0〜10歳までが83.3%という結果に。いずれも過去の調査と比べて発症の実感が低年齢化している傾向が見られます。花粉症は一度発症すると、自然に症状が緩和する可能性は低いもの。だからこそ、発症を予防することが肝心なのです。
花粉症の発症年齢の変化
※医師の診断ではなく、親の実感によるものです。
ちなみに両親がスギ花粉症であれば、理論上はほぼ100%子どももスギ花粉症になるのだそう。そのケースの場合、より注意深くケアしてあげた方がよさそうです。具体的な対策方法を見ていきましょう。
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屋外ではマスク、
屋内には花粉を入れない末廣医師は「とにかく乳幼児期から花粉を回避し、屋内への花粉の侵入を防ぐことが大切」だとアドバイス。日によって花粉の量は違うので、花粉の飛散情報をしっかりチェックし、屋外ではマスクを着用。外出先から帰ったら花粉の付着した衣類は払うなど、子どもにも徹底して対策してあげると安心です。
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PM2.5にも注意を
最近では日本のPM2.5濃度が上昇し、健康被害が心配されていますが、実は花粉症にも影響が。PM2.5のような微粒子は、花粉のアレルギー反応を強める可能性が考えられるのです。つまり花粉の季節のみならず、PM2.5濃度の高い日や黄砂の多いときにはマスクを着用して微粒子の吸入をできるだけ防ぐようにしましょう。
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戸建て住宅や
高層階は特に注意をそのほか、戸建て住居や高層階の住宅に住んでいると花粉症が多いという結果も。一戸建てはアレルギーを起こしやすいディーゼルエンジンの排気ガスを吸い込みやすく、また高層住宅が建つ都会では土が少なく花粉が舞いやすいため、花粉症を発症しやすいと考えられています。
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目の症状には目薬で対処を
子どもの花粉症は鼻水やくしゃみが出るというよりも、ぼーっとしてしまうといった症状のことも多いため、ハタからはわかりにくいもの。そのサインに気づいてあげることも大切です。目に症状が出てしまった場合は、目をかいて症状が悪化しないように気をつけましょう。ガマンできない目のかゆみには花粉症対策の目薬を。子どもの花粉症対策に特化した目薬も販売されています。
大人でもツライ花粉症。子どものうちからの対策が必要ということを覚えておきたいですね。