fufufu TOP  > 特集記事[隔月更新]一覧  > 小さな観葉植物も、ストレスの良薬。私たちに“自然が必要”な理由

ほっこり癒しの時間

小さな観葉植物も、ストレスの良薬。私たちに“自然が必要”な理由(2/3)

掲載号 vol.57

記事内容

読了時間:9分

リラックス効果に、血圧の変化も。自然セラピーの生体調整効果

ただ自然の中にいる。それだけで効果が!

自然に触れると心地がよい。それには、長い時間歩くという運動の効果や、一緒に出かけた人との会話の楽しさ、さらにはそこでいただく食事のおいしさなどが関係しているのだと筆者は思っていました。が、何もせず、ただ自然の中に身を置くだけでもリラックス効果が得られるのだそうです。

「我々研究チームは、これまでに全国60か所以上の森林で、自然セラピーの実験を行ってきました。実験では、まず血圧、心拍数などを計測し、自律神経活動を調べます。交感神経活動が優位でストレス状態にあるのか、副交感神経活動が優位でリラックス状態にあるのかを見るためです。次に、唾液中のコルチゾール濃度を調べます。コルチゾールは、ストレスに反応して分泌されるホルモン。濃度が高いとストレス状態にあることがわかります。森の中を15分間歩いたとき、座ったときと、街の中を15分間歩いたとき、座ったときのそれぞれの副交感神経活動を比べると、いずれも森の中では心身がよい状態になることがわかりました」

森林と都市を歩行時の
副交感神経活動
森林と都市を歩行時の副交感神経活動

血圧の低下については、森林での6時間の自然セラピー後、しばらくの間よい状態が持続することがわかったそうです。

高血圧者が、自然セラピーで数値が下がり、その後5日間も、正常血圧を維持していたのです。正直、これほど長く続くとは私も考えていませんでした」

自然セラピーによる
血圧の変化
自然セラピーによる血圧の変化

また、先生は自然セラピーの実験を屋外だけでなく、屋内でも行っています。やはり、そこでも心身によい効果があるとわかったのだそうです。

「例えば、木材を使った実験。ヒノキの香りを嗅いだときに脳の前頭前野活動が鎮静化しました。さらに、ヒノキと大理石を触ったとき、それぞれの自律神経活動を調べてみると、ヒノキでは副交感神経活動が優位になり、リラックス状態になることがわかりました。大理石では、変化しませんでした。森林へ行かなくても、自然の香りや触ることで、リラックス状態になることがわかりました」

高い人も低い人もちょうどいい状態に

実は、森林で行われた実験では、血圧が上がる人もいたそうです。「それは、自然セラピーの効果が得られないということ?」と、筆者は思ってしまいましたが、そうではないそうです。

「高血圧の問題点ばかりが注目されるので、低血圧のほうがよいと思われがちですが、もちろん低過ぎるのもよくありません。森林の実験では、高血圧の人は血圧が下がり、低血圧の人は上がります。どういうことかというと、人が本来あるべき状態に調整されるのです。自然は、高い人も、低い人もそれぞれよい状態に整えていく、ということ。高い人は下がり、低い人は上がる。どちらもその人を適切な状態へ導いているわけです」

自然セラピーの
生体調整効果
自然セラピーの生体調整効果

バラを見るという実験においても、交感神経活動が高い人は下がり、低い人は上がるという結果が得られたそうです。

自然セラピーが、人をちょうどよい状態に導くことを、私は【生体調整効果】と呼んでいます。薬ではそれはできません。上げる下げるなど一律の効果はありますが、その人に合わせた調整はできないのです。人は700万年のほとんどを、自然の中で生きてきました。人は自然に対応するようにできているので、自然に触れたとき、本来あるべき状態に戻ろうとするのです」

この記事の関連記事

もっとみる

みんなのfufufu

雑誌版だけの限定企画も!

太陽笑顔fufufu 最新号

2024 WINTER Vol.59

太陽笑顔fufufu 雑誌版を定期購読(無料)しませんか?

いつまでも元気で、充実した生活を楽しんでもらいたい。
そんな想いから生まれたフリーマガジン『太陽笑顔fufufu』は、
冊子も送料もずっと無料でご購読いただけます。

  • 電子書籍で手軽に

    デジタルマガジン
  • 紙の本でじっくり

    無料 定期購読の申込
ロート製薬からの様々な情報をお届け ココロート・Park