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知っトク!?健康スキル

ヨーグルトだけでいい? “腸内細菌を働かせる”腸活と、その効果(3/4)

掲載号 vol.47

サルコペニアを予防!?食物繊維が、筋肉の機能維持に

健康で長寿な人にはある腸内細菌が!

内藤先生が所属する京都府立医科大学が、2017年にスタートさせた疫学調査【京丹後長寿コホート研究】でも、健康と腸内フローラの関係がわかってきました。

「京都府の北部にある京丹後市は、日本海に面したのどかな田舎。人口当たりの100歳以上の人口比率が全国平均の2.8倍もある地域です。なぜ彼らが長寿なのか、医学的メカニズムを明らかにすることを目的に行われたこの調査で、京丹後市に住む高齢者の多くは血管年齢が若い、大腸がんの罹患率が低い、認知症の発症率が低いことがわかりました。高齢であっても元気だということです。私たちのチームが行う腸内フローラの調査でも、非常に興味深いことがわかりました。都会である京都市内に在住する51人と、京丹後市に在住する51人の腸内フローラを比較したところ、京丹後市に在住する人は、食物繊維から酪酸を作る腸内細菌を多く持っていることがわかったのです。このことから、間違いなく長寿に食生活が関係していると見ています」

腸内細菌がサルコペニア予防に関係!?

京丹後市の人たちはどんなものを食べているのでしょうか?京都市内在住の人と比較すると、麦や玄米などの全粒穀類を摂取している人が多く、葉野菜、海藻類、豆類、芋類も京都市内在住の人よりも多いことがわかりました。

京丹後市に暮らす人は、
食物繊維を多く摂っている
毎日摂取する住民の割合

「京丹後市の高齢者にはサルコペニア(筋肉量が減少し、全身の筋力低下が起こること)になる人が少ないのです。これには、食物繊維を多く摂取していることが関係していると考えられます。筋力低下の見られない健常な高齢者の腸には、食物繊維から酪酸を作る、ラクノスピラという菌が多く存在することがわかったのです。酪酸には筋委縮を抑制する働きがありますから、やはりこの腸内細菌がサルコペニア予防に関係していることが考えられます。筋肉の機能維持に動物性タンパク質を多く摂っていたのでは、と思うかもしれませんがそうではありませんでした。サルコペニアと診断された人との摂取量に大きな差はなかったのです」

京丹後市の高齢者が多く摂っていたタンパク質は大豆など植物由来のもの。大豆は食物繊維も多く含みます。筋肉を増やす、機能向上させるのでなく、減らさない、機能を衰えさせないための食事ができていると言えるでしょう。健康のためにはやはり腸内細菌の働きが重要だとわかります。

「食の欧米化で日本人の腸内環境が変化していることが問題となっていますが、京丹後市の人たちはその影響を受けなかったことで、腸内細菌のバランスを保ち、健康を維持していると言えます。京丹後市は少し前までコンビニエンスストアもなく、便利な世の中とは無縁の環境。若いときから自分たちで耕した田畑や、山海から食料を調達する生活を続けています。子どものときからの食生活が変わらないということは、とても大切なのです」

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