“食べ過ぎてしまう”はこれで防ぐ!脳の騙されやすさを活用する
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“食べ過ぎてしまう”はこれで防ぐ!脳の騙されやすさを活用する
ダイエットにもおすすめ!食事のアイデア
見た目やにおいをはじめ、さまざまな要因によって騙されてしまう脳。その特性を理解して、先回りをすれば、きっと“つい食べちゃう”は防げるはず。生活の中の食べるシーンで役立つ、アイデアをお伝えします!
あればあるだけ
食べてしまいます
お菓子は
“少量のパッケージ”を選んで
半分残すと決めてお菓子のパッケージを開けたものの、結局全部食べてしまった。きっと誰にでもあるそんな経験。実はこれ、意志だけの問題ではないようです。
「前ページで紹介したワンシンク博士の研究をもうひとつ。減った分だけ補充される特殊なお皿を使って、被験者にスープを食べてもらうと普段の1.5〜2倍食べるという結果になりました。しかも同じ被験者に普通のスープ皿を使って食べてもらうと、その皿にある量だけで収まったのです。人は、あればあるだけ食べてしまいます。これも【外発反応性摂食】で、食べたいかどうかより、そこにあるから食べてしまうのです。お菓子はお徳用の大きなパッケージではなく、少量サイズを選びましょう」
“小さいお皿”に料理を
盛りつけて
脳に「十分食べた」と
思わせる
飲食店で、お皿に盛りつけられた美しい料理を見て「量が少ない……」と思ったことはありませんか?実はそれ、食べ過ぎる原因になるかもしれません。
「私たちがどれくらい食べるかは、実際に胃に入る量とあまり関係ありません。“足りない気がする”と感じてしまうと、もっと食べようとして食べ過ぎにつながってしまいます。それを防ぐためには、脳に“十分食べた気がする”と思わせること。その方法として、小さなお皿を使うことが挙げられます。下の図を見てください。オレンジ色の円は右のほうが大きく見えますが、実はどちらも大きさは同じです。これを応用して小さなお皿に料理を盛りつければ、よりたくさんあるように見え、脳は“十分食べた気がする”と判断しやすくなります」
大勢での食事は
食べ過ぎてしまいます
だから“会席スタイル”で!
親しい人との食事会で、つい食べ過ぎてしまうことはよくあります。複数人数での食事は、会話などの楽しさが食べ過ぎのきっかけになります。
「アメリカの陸軍が兵士の摂取カロリーを調べていくと、ひとりで食事をしたときは1食当たり500㎉弱になるのに対して、一緒に食べる人が増えれば増えるほど直線的に摂取カロリーが増えていくことがわかりました。誰かと一緒に食事をすると心の満足感も高くなることから、たくさん食べるのだろうと考えられています。また、大皿に盛られた料理も、“あればあるだけ食べる”はめに。複数人数で食事をするときは、あらかじめひとり分の料理が用意される会席のようなものがいいでしょう。楽しさはそのままに、食べ過ぎを防ぐことができるはずです」
やけ食いでの満足感は
“喉を通る感覚”によるもの
おいしいものでなくても
いいのです
むしゃくしゃしたとき、ツラいことがあったときなど、好きなものを好きなだけ食べると、ココロが満たされたように感じます。しかし、やけ食いにおいしさは関係ないそうです。
「やけ食いでほっとするのは、おいしさではなく、食べものが喉を通っていく感覚によるものです。喉を通る感覚が、脳の本能的な快感を刺激して、ネガティブな状態を元に戻したり、ポジティブな気持ちにさせたりしているのです。泣いている子どもがジュースを飲んで泣き止むのも同じ理由。必要なのは喉を通る感覚ですから、甘いお菓子やカロリーの高いファストフードでなくてもいいのです。シンプルなおにぎりなどを選んでみては」
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