疲労感だけはではなく、“疲労をとる”ためにできること
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疲労感だけはではなく、“疲労をとる”ためにできること
がんばり過ぎずに早めに眠ることが基本
ここまでお伝えしてきた疲労の仕組みは、意外に思われることが多かったと思います。ただ、疲労回復法については、休息をとる、睡眠をとる。やはりこれが基本になります。
「睡眠中に、身体のダメージを修復する【疲労回復因子】が働きます。夜更かしせずに、十分な睡眠をとるようにしましょう」
明日の分までがんばらず、“明日のことは明日する”と考えて、早めに眠ることを心がけて。
休息や睡眠をとる以外にも、疲労回復のためにできることがあります。まずは、生体アラームである疲労感をきちんと受け取れるようにしておくことです。
「栄養ドリンクやエナジードリンク、コーヒーをたくさん飲む人は、一度飲むことをやめてみる。きっと身体のだるさを感じるはずです。脳が【休め】というメッセージを受けとめられれば、休息をとるきっかけになります。栄養ドリンクやエナジードリンクは、あと少しがんばりたいときや、一日の終わりに、身体を休めるために飲むほうがいいでしょう。頭痛があるときに飲む、頓服薬のようなイメージです。頭痛を根本から治すことはできませんが、痛みを抑えるためには必要です」
疲労回復には、激しい運動でなく軽い運動がおすすめです。
「軽い運動は、疲労回復因子を増やすことがわかっています。普段運動をしている人であれば5キロほどのジョギングを。あまり運動をしていないなら、5キロをゆっくり歩くなどがいいでしょう」
疲労回復には納豆や玄米が◎
疲労回復に効果が期待できる成分もわかってきました。
「カレーのスパイスで知られるターメリックなどに含まれるクルクミン。玄米などに含まれるγガンマ−オリザノール。玉ねぎや蕎麦に含まれるケルセチン。納豆など発酵食品に含まれるポリアミンなどが、疲労回復に有効です」
疲れない身体にするために、食べたものを、きちんとエネルギーに変えることも大切です。
「同じ山でも、小さいエンジンより、大きいエンジンの車のほうが楽に上ることができます。それと同じで、エネルギーがあれば、大きな労働でも楽にこなせます。食事をエネルギーに変換する栄養素はビタミンB1。カレーは疲労回復に役立つと言えます。カレー粉でクルクミン、玉ねぎでケルセチンを、豚肉を入れればビタミンB1が摂れますよ」
あなた自身のためにも、あなたの大切な人のためにも、疲労を軽視しないで。がんばり過ぎず、自分をきちんと労わりましょう。
睡眠中に疲労回復因子が働く。もう少しがんばる、と夜更かしせず、しっかり睡眠をとりましょう。
あと少しがんばりたいときなど、頓服薬のような使い方を。また、「今日一日をがんばる」ためではなく、「今日をがんばった自分を労わる」ために、一日の終わりに飲むのもひとつの方法です(ノンカフェインのものもあります)。
軽い運動で疲労回復因子を増やすことができます。ウォーキングやジョギングなどの軽い運動を習慣に。
クルクミン | ターメリック(ウコン)の色素に含まれる |
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γ-オリザノール | 玄米の胚芽や、こめ油に含まれる |
ケルセチン | 玉ねぎや蕎麦などに含まれる |
ポリアミン | 納豆、チーズ、ヨーグルトなどの発酵食品に含まれる |
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