骨の健康を保つことは全身の健康にもつながります。今できることからでも十分!骨の健康を保つのに大切な「運動」と「食事」のポイントをご紹介します。
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骨の健康を維持すること。それが全身の健康作りに。
「最近運動していないな」と感じているなら、今できることから始めましょう。
「歩くだけでも、骨には十分な負荷をかけることができます。最低でも1日5000歩。できるなら8000〜10000歩に。激しい運動は必要ありません。むしろ免疫のためには避けたほうがいいと言えます。フルマラソンのあとは、風邪をひきやすくなるというデータもあります。外へ出て運動をする場合は、感染症対策を忘れずに。息苦しさでマスクを外す場合は、人との距離をとること。帰宅したら手を洗うことを徹底した上で、運動をしましょう」
運動に加えて、やはり食事も大切です。まずは、骨の材料になるカルシウムをきちんと摂ること。
「骨は支持組織であり、免疫細胞が作られる場所。そして代謝を調整している場所でもあります。カルシウムの99%は骨と歯に貯蔵されていますが、残りの1%は体液に存在しています。なぜ、その1%があるかというと、筋肉や神経の働きや、血流の凝固作用の働きなどを保つために必要だからです。その濃度は一定に保たれていますが、不足すると、骨を溶かしてまで不足分を供給しようとします。生命維持のために、1%の濃度を保たなければならないのです。カルシウムは骨の材料になることだけでなく、不足すると骨が溶かされるということも併せて覚えておいてください」
カルシウムを効率よくとり込める、ビタミンDも摂ることを心がけて。
「ビタミンDは食事から摂取できる上、体内で生成することもできます。紫外線を浴びることによって生成されますから、日光浴を。日中のウォーキングは、運動にもなりビタミンDの生成にも役立ちます」
ただ、ビタミンDを摂れる食品はあまり多くないこと、冬場は日照時間が短いこともあり、食事、日光浴、どちらからもとり入れるようにするといいでしょう。
1日、5000歩。
できれば10000歩。
ウォーキングも骨のためには十分にいい運動。1日5000歩以上、できれば8000 ~10000歩歩くようにしましょう。紫外線を浴びることで、カルシウムの吸収を高めるビタミンDを生成することができるので、屋外でのウォーキングが◎。運動習慣のある人は縄跳びも効果的。
カルシウム&ビタミンDを
食事から。
食事も重要。骨の材料になるカルシウムを摂るようにしましょう。ビタミンDは紫外線が弱まる冬場は、屋外活動で得られる量が少なくなるため、食事からも摂ることがおすすめ。
- カルシウムを多く含む食品/小魚、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)、小松菜、水菜など
- ビタミンDを多く含む食品/ 鮭、いわしの丸干し、さんま、干し椎茸、きくらげなど
カルシウムのために、
ビタミンKも!
ビタミンK も、骨からカルシウムが出ていくのを防ぐほか、カルシウムを骨にとり込む働きがあります。納豆に多く含まれていて、1パックで1日の推奨摂取量を摂ることができます。
- ビタミンKを多く含む食品/納豆、乾燥わかめ、海苔、小松菜、大葉など
骨粗しょう症検診で、
骨の状態を知る。
自分の骨の状態を知っておくことも、健康を考える上で大切なこと。多くの自治体で、40歳以上の女性を対象に5歳刻みで骨粗しょう症(骨密度)検診を実施しています。健康診断では項目に含まれていませんがオプションとして追加できます。
骨の健康が全身の健康につながる!
栄養素では、ビタミンKもカルシウムの流出を防ぐ働きがあります。また、自分の骨の状態を知っておくことも、骨の健康維持に役立ちます。定期的に骨粗しょう症検診を受けましょう。
骨の健康を保つことは、全身の健康を作ることにつながります。
「骨も含め、臓器を健康に保つこと。それが感染対策にもつながっていきます。それぞれの臓器は独立して機能しているのではなく、お互いに連携し恒常性を保っていると言われています。普段忘れがちな骨の健康を考えることは、全身の健康を保つきっかけになると言えます」