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知っトク!?健康スキル

歯があっても、危険!噛めなくなる、本当の理由。(5/5)

掲載号 vol.37

お口の健康を守るために。歯科医院の選び方

歯科医院は、単に虫歯を治療するだけではありません。口から始まる健康作りを、ともに考えてくれるところ。大きな病気から身体を守るための、頼れるパートナーなのです。

環境や年齢で変化。半年に一度は検診を。

「半年に一度は歯の定期検診を」と言われていますが、痛みなどのトラブルがなければ忘れてしまうことも。毎年のがん検診ほどには重要だと感じていないかもしれません。ただ、歯科医は虫歯を治療するだけではありません。知らないうちに進行する歯周病や、自分では気づきにくいブラキシズムをはじめ、口の中の問題を広く診てくれる存在です。

「姿勢の悪さも、咀嚼筋・表情筋の使い方も、顎の大きさも、舌の位置も歯並びも。歯を失わないように、本当に噛めなくなってしまうことを防ぐために、あらゆることを診ていきます」

噛むことをはじめ、口の機能の異常を発見し、改善のためのトレーニング方法を教えてくれるところも。口のがんをチェックするのも、歯科医の役割です。

「今年の初めに、ある女性タレントが口腔がんを公表したのをきっかけに、歯科を受診する人は増えました。ただ、一般の歯科ではがんの治療はできませんので、調べた上で疑いがある場合には、専門の病院を紹介します。生活環境や年齢の変化とともに、口の中も変化します。毎年のがん検診と同様に、定期的に歯科検診を受けるべきです」

歯科医院にも専門が。その選び方も重要。

大きな病気を防ぐことにもつながる歯科の定期検診。歯科医院といってもさまざまで、どう受診するかを考えることも大切。

「歯科医院にもそれぞれ専門があります。主に口の中や顎、顔面などの疾患を扱うのが口腔外科。顎関節症や唾液腺疾患、口腔がんの検査などもこの領域です。歯周病や小児を得意とする歯科医院もあります。その分野において高度な医療を提供できる専門医を選ぶことはひとつの方法。それぞれの学会で認定医制度がありますから、認定専門医を探すことも歯科医院選びの役に立つはずです」

認定専門医であれば、ウェブサイトなどにあるプロフィールに、所属している学会と、専門医の習得レベル(指導医、専門医、認定医)があるはずです。

また、きちんと治療方針を示せる医師を選ぶのも重要。

「これからどんな治療をするのか、そのメリットだけでなくデメリットまで説明してくれるかどうかも歯科医選びの大切なポイントです。治療内容に疑問がある場合は、セカンドオピニオン制度を利用してもいい。自分の治療に自信がある歯科医なら、その申し出を断ることはないはずです」

「歯のメンテナンスをすべきだった」という高齢者の声を、テレビ番組や雑誌でよく見かけます。入れ歯になった、噛めないことで食べる楽しみが減ったなど、後悔が語られています。「あのとき、やっておけばよかった」と思わないためにも、今から、口の健康を守るべきなのです。

「口は、消化器官の始まりの部分。食べものを最初に受け止めるところですから、食事と同じように、口の中の環境についても考えてもらえればと思います」

歯科医は、美と健康作りの大切なパートナー。未来の笑顔のための頼れる味方なのです。


この先生に聞きました!

中村 朋美 先生

中村 朋美 先生

なかむら ともみ

神奈川歯科大学 助教
日本大学兼任講師

日本大学歯学部卒業。同大学にて研修医を務めた後、小児歯科学講座歯学部助手、日本大学助教などを経て現職。日本小児歯科学会指導医。国際歯学士、アジアアンチエイジング美容協会名誉顧問医師

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