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知っトク!?健康スキル

毎日出ないのが「便秘」ではない! 便秘解消に薬は危険?ヨーグルトは効く?(2/4)

掲載号 vol.34

「便秘」には定義がある!食物繊維で解消できないことも!?

重要なのはすっきり感。目安になる時間は?

毎日出ているか、どうか。これまで便秘の有無は、それが大きな判断材料となっていました。しかし、『慢性便秘症 診療ガイドライン』が定めた“便秘の定義”には「本来体外に排出すべき糞便を、十分かつ快適に排出できない状態」とあります。便秘かどうかは、毎日出ているかどうかではないのです。

「わかりやすく言えば、すっきり出ないことが便秘です。その状態が進み、治療が必要になったものを便秘症と呼んでいます。排便が2~3日に1回でも、すっきり出ていれば便秘ではなく、逆に毎日出ていても、苦痛や残便感がある、時間がかかるようなら便秘だと言えます」

すっきり出ているか、どうか。それが便秘の新しい判断基準。排便にかかる時間もひとつの目安です。

「動物が、排便するまでにかかる時間は、約12秒。これは、身体の大きさがまるで違う猫と象でも同じく約12秒なのです。人間は文明的な生活を送っているため、もう少しかかりますが、それでも50秒以内で完了するのがスムーズな排便だと言えます」

毎日出ない=便秘ではない。すっきり出ていればよい。毎日出ない=便秘ではない。すっきり出ていればよい。

食物繊維が便秘改善に役立たないことも。

便秘改善に食物繊維が効果的であることはよく知られています。ただ、それには誤解が多くあります。

「確かに、食物繊維を摂取すると改善する例は多くあります。が、食物繊維が不足しているから便秘になるというわけではありません」

水やヨーグルトなどを摂ることも効果的な方法ですが、便秘の改善には、なぜ出なくなるのかを考えることも大切です。

「排便は、極めて精密な身体の仕組みによって行われるもの。大腸のいたるところにある便を集めるために大腸が動き(蠕動ぜんどう運動)、歯磨き粉のチューブを絞るようにまとめながら、出口付近の直腸まで運びます。便がそこまで来たと脳が認識してようやく便意が起こり、便座に前かがみに座ると、曲がっていた直腸が真っ直ぐになって便が落ち、肛門がゆるんで便を外へ排出します。大腸が動く、脳が認識する、直腸が真っ直ぐになる、肛門がゆるむ。これらがすべて正常に機能して、スムーズな排便が行われるのです。食物繊維は便のかさを増やしたり、柔らかくする効果がありますが、例えばそれで排出に適した状態になったとしても、肛門がゆるまなければそれだけで排便が困難になると言えます」

直腸や肛門、いわゆる“出口に問題がある”タイプの便秘は、若い人にもありますが、特に高齢者に増えている、と先生。効果が見込める食品を摂っても改善しない場合は、どこに問題があるのかを考える必要があります。

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便秘の定義

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直接の原因というよりマイナスがつながる。

便秘によって毒素が溜まり肌荒れになる、代謝が落ちて肥満になる。それも正しくはないようです。

「便秘でも肌がきれいな人もいますし、痩せている人もいます。便秘が必ずしも肌荒れ・肥満の原因だとは言い切れません。ただ、肌荒れについては、便秘になって食欲が落ち、大切な栄養素が摂れないことで起こる可能性はあります」

便秘が直接の原因になるというよりも、便秘をきっかけにして、美と健康のマイナスとなることがつながるように増えていく、と言ったほうが近いかもしれません。

便秘は肌荒れ・肥満の原因とは言えない。便秘は肌荒れ・肥満の原因とは言えない。

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