ホントは違う!?近視にまつわる、あの“常識”。
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ホントは違う!?近視にまつわる、あの“常識”。
私たちが昔からよく耳にする、近視にまつわるあれこれ。わかってきた“近視のホント”から考えると、これまでの“常識”が、ちょっと違って見えてきます。
- 近視が進む人がいるのも事実ですが、それはメガネやコンタクトレンズを使い始めた時期と、眼軸長が伸び続ける時期が重なったことが理由かもしれません。また、メガネやコンタクトレンズのUVカット加工によって、バイオレットライトが不足し、近視が進んでいるという可能性も考えられます。ただ度が進むことを心配して着用しないでいると、見る機能に影響を及ぼす恐れがあります。ぼやけるというシグナルを送らないこと、適切な度数のメガネやコンタクトレンズで目に負担をかけないことが大事です
- サッカーや野球など屋外でのスポーツをやっている子どもに近視は少ないかもしれませんが、バスケットボールやバレーボールなどの屋内だと関係ないとも言えそうです。それは、光を浴びているかどうかの違い。近視抑制には、運動量よりも光の量が重要だと考えられ、その可能性を示す実験結果もあります。運動に近視抑制効果はないかもしれませんが、近見作業から離れることにもなりますから、決して無駄なことではありません。
- パソコンやスマホなども目に負担がかかることはわかっていますが、どのように近視に影響しているかはわからない部分が多いのです。ブルーライトは、動物実験で近視進行抑制効果が報告されており、今後の研究成果が待たれます。
- 近視の人も老眼になります。老眼は、ピントを合わせる力が弱くなり手元の文字などが見えにくくなることを指します。近視の人は、メガネをはずせば近いものがよく見えることから、老眼にならないという誤解が生まれたようです。正視や遠視の人は見え方の変化がわかりやすいのですが、近視の人は老眼に気づきにくいと言えます。個人差はありますが、老眼は誰もがなること。正視も近視も関係はありません。
- ブルーベリーに含まれる、ポリフェノールの一種・アントシアニンが目の健康に役立つ可能性はあります。近視抑制効果については、さまざまな実験が行われていますが、まだはっきりとした結果は出ていません。眼精疲労の改善や、ピント調節機能を整える可能性はありますから、デジタル機器の使用などで目を酷使する人は、上手にとり入れて目の健康に役立てましょう。
- 地方に比べて、都市部のほうが近視の有病率が高いことは世界的に認められています。近視は都市部に多いのですが、その理由は諸説あり、何が正しいかはわかっていません。屋外活動時間のほか、親の収入や学歴、子どもの成績なども考えられていて、どれも関係がありそうなのですが、一番の原因はわかっていません。