上げない! ためない! 使う!糖質生活の三原則。
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上げない! ためない! 使う!糖質生活の三原則。
糖質は、私たちになくてはならないもの。控え過ぎも、摂り過ぎもよくありません。血糖値を上げない摂り方に加え、糖をためない、使うことも大切です。石田先生に、糖質とのつき合い方を教えていただきました。
食べる量が増えるほど、血液中の糖も増えます。エネルギーとして使われなかった糖は、筋肉や肝臓などに貯蔵されますが、それでも余ると脂肪にも蓄えられてしまいます。糖をため込んしまうことが肥満、そして糖尿病にもつながるのです。また、インスリンの無駄遣いにもなってしまいますから、食べ過ぎないことが大切です。もう少し食べたいな、と思うくらいの適量を覚えておきましょう。
食事のとき、野菜から食べ始める“ベジタブル・ファースト”。野菜に含まれる食物繊維が、後から食べるご飯やパンなどの糖質の吸収を穏やかにしてくれます。ご飯や、肉や魚から先に食べているなら、順番を変えてサラダやおひたしなどから食べましょう。野菜のほか、食物繊維が豊富な海藻、きのこなどでもOK。食物繊維には満腹感を得られる効果もありますから、食べ過ぎを防ぐことにもつながります。
前ページでお伝えしたようにスムージーは血糖値を急上昇させますが、だからといって一切やめることはありません。野菜や果物はしっかり噛んで食べるほうが望ましいのですが、スムージーをやめて、それを摂れなくなってしまうのは残念。食事のスピードと同様、スムージーやジュースも、できるだけゆっくり飲むようにすると、血糖値の急上昇を防ぐことができます。一気に飲んでしまうのは禁物です。
糖質を含む食品は、それぞれ血糖値の上がり方が異なります。その上昇のスピードを示したのがGI(グリセミック・インデックス)値。数字が大きいほど、スピードが速くなります。急激に上がりやすいのが、精製された白い食品。砂糖や白米、小麦粉などです。血糖値の上昇を穏やかにするためには、玄米ご飯や、表皮や胚芽、胚乳をすべて粉にした全粒粉で作ったパンやパスタを選ぶとよいでしょう。ただ、低GI食品であっても食べ過ぎは禁物です!
血糖値は食事のスピードに合わせて上がりますから、よく噛んでゆっくり食べることが大事です。ひとりでの食事は、ささっと済ませてしまいがち。できるだけ誰かと一緒に、会話を楽しみながらゆっくり食事をするといいでしょう。食べ始めてから約20分で満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐことにも役立ちます。家族や友人と楽しい食事の時間を持ちましょう。
例えば、ウォーキング30分の消費カロリーは80~100kcalほど。子ども茶碗1杯(100g)のカロリーは168kcalですから、運動のカロリー消費は意外に少ないもの。がっかりする人は多いのですが、カロリーではなく、インスリンのためにと考えると前向きに取り組めると思います。運動はインスリンの働きを高めることがわかっています。糖をためない・使う方法のひとつとして取り組みましょう。
ブドウ糖をエネルギーとして使うためには、運動などで活動量を増やすことが有効です。ただ、ビタミン・ミネラルが不足するとエネルギー代謝が低下してしまいます。ビタミン・ミネラルは、糖質はもちろん、脂質、タンパク質を効率よく働かせるための重要な栄養素。食事は、やはり何かを多く摂ったり、控えたりすることなく五大栄養素の働きを考えて、バランスよく摂るようにしましょう。
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