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知っトク!?健康スキル

身体に良い“油”の摂り方 | DHA・EPA・オメガ3(3/5)

掲載号 vol.26

オメガ6は[×:悪い油だから、控える]・[○:オメガ3のためにも、控える]

控えるべき、というと悪いもののように思えますが、そうではありません。過剰になりがちなオメガ6を控えれば、オメガ3がよく働くようになるのです

野菜や大豆にもオメガ6は含まれる。

脂質の摂取量は、1日50gまでが理想。大さじ4杯が目安です。

「その数字を聞くと、使える量は多いと感じるかもしれません。揚げ物を作る日は別ですが、1日で料理にそこまで使うことはあまりないでしょう。しかし、油脂は、料理に使うもののほかに、目には見えないものが普段食べている食品に含まれているのです」

下にあるのは、私たちにとってとても身近な食品。牛肉や豚肉だけでなく、米やパン、牛乳や卵にも油は含まれています。

「量はさほど多くありませんが、これらも併せて1日50g以内に納めるのが理想です」

その中でも、控えるように意識すべきなのが、オメガ6系の油。食べる物から摂る必要がありますが、どんな食品にも含まれることから、無意識のうちに摂り過ぎになっているそうです。

「意外なようですが、野菜や大豆にもオメガ6は含まれています。加工食品は特にオメガ6が多い。意識しないと、どうしても過剰になってしまうのです」

過剰になったオメガ6は、アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などの原因のひとつに挙げられます。

「オメガ6の油に多く含まれるリノール酸は、体内でアラキドン酸という脂肪酸に変化します。これは、胎児や乳幼児の身体や脳の成長・発達に欠かせないものですが、過剰になるとアレルギー炎症が出やすくなります」

アラキドン酸の合成を抑えるために、重要なのがオメガ3の働き。

「オメガ3の油に多く含まれるα-リノレン酸は、体内で魚に含まれることで知られるEPAという脂肪酸に変化します。EPAの働きのひとつが炎症を抑えること。つまり、オメガ6とオメガ3をバランスよく摂れていれば、EPAがアラキドン酸の暴走を抑え、アレルギー炎症を防げるのです」

オメガ6とオメガ3の理想的なバランスは4対1とされていますが、現代は、ほとんどの人がそのバランスを崩しているそうです。

日本食品成分表2015年版(七訂)
※端数の関係上、各数値の合計が脂肪酸総量と一致しないことがあります

えごま油やアマニ油をよいものにするために。

「オメガ6とオメガ3の体内での変化には、同じ酵素が使われています。ですから、オメガ6が多くなると、オメガ3に使える酵素が少なくなってしまいます。オメガ3は、EPAだけでなく、脳の機能に欠かせないDHAにも変化しますが、オメガ6が過剰だとせっかく摂ったえごま油もアマニ油も、EPAやDHAになりにくくなります」

えごま油やアマニ油に含まれるα-リノレン酸を、身体で有効に働くEPAやDHAに変化させるために、オメガ6を控えること。これが、油とのつき合い方の大切な3つ目です。

「オメガ6が含まれているからと、野菜や大豆製品などを控えるのはナンセンス。それでは大切な栄養素が摂れなくなってしまいます。控えるべきはスナック菓子など加工食品。一切やめる必要はありませんが、数日にわけて食べるなど量を減らすようにしましょう」

EPAやDHAは、αーリノレン酸から作られます。その酵素は、オメガ6のリノール酸を変化させるのと同じものなので、オメガ3とオメガ6をバランスよく代謝させることが重要。

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