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知っトク!?健康スキル

視力が良いと疲れやすい!?目の疲れを取る&予防 6の習慣(2/3)

掲載号 vol.22

記事内容

読了時間:11分

目の疲れの原因を解き明かす。

がんばり過ぎってどういうこと?見え過ぎなくていいの事実。

近くを見ると疲れるのは目の筋肉のせい。

私たちの身の周りにあるさまざまな情報のうち、目から得ているものはおよそ8割もあると言われています。だからこそ目は身体の中でも特に大切にしなければならない部分なのですが、実に約96%の人が目にストレスを感じているという調査結果もあるほど、なかなか目の疲れに対処できていないのも事実ではないでしょうか。これを解決するためには、疲れの根本的な原因を知る必要があります。そもそも目が疲れるというのは、目でどんなことが起こっているのでしょうか?梶田先生によると、目の疲れは、目の筋肉ががんばり過ぎているために起こっているそうです。

「目にはレンズの役割を果たす水晶体があり、この水晶体の厚みを変化させているのが、ピント調節筋と呼ばれる毛様体筋です(図1参照)。毛様体筋は遠くを見るときにリラックスし、水晶体を薄くしてピントを合わせます。逆に近くを見るときには緊張し、水晶体を厚くしてピントを合わせています。現代の私たちの生活は近くを見ることが多くなっているために、目では毛様体筋の緊張状態が続いてしまいます。こうしてがんばり続けた毛様体筋の疲れを、私たちは目の疲れだと感じているのです」

図1:目の仕組み
図1:目の仕組み 遠くを見ているとき 毛様体筋がリラックス 毛様体筋(ピント調節筋)水晶体 [水晶体は薄くなる] 近くを見ているとき 毛様体筋が緊張する 緊張状態が続き、疲れ目の原因に [水晶体は厚くなる] 図1:目の仕組み 遠くを見ているとき 毛様体筋がリラックス 毛様体筋(ピント調節筋)水晶体 [水晶体は薄くなる] 近くを見ているとき 毛様体筋が緊張する 緊張状態が続き、疲れ目の原因に [水晶体は厚くなる]

遠くを見ているときは毛様体筋がリラックスして水晶体は薄くなり、近くを見るときには毛様体筋が緊張して水晶体は厚くなります。この緊張状態が続くことが、疲れ目の原因になります。

例えばスポーツをして筋肉を使い続けると、その部分が重たくなったりだるくなったりして、疲れを感じます。目でも同じことが起こっているのです。

現代の目は見え過ぎなくていい。

では、毛様体筋はどのくらいの 距離から近くを見るときに“がんばっている”状態になるのでしょう。そこには、ひとつの境界線がありました。

「毛様体筋の働きに深く関係するものに、調節安静位というものがあります。これはどこを見るともなくボーッと見ているときの目の状態のことで、目が一番リラックスしている状態です。このとき、裸眼でよく見える人でおよそ1m先にピントが合っており、近視の人ならその距離は近くなります。この調節安静位よりも手前を見れば見るほど、ピントを合わせるために毛様体筋に力を入れてがんばらなければなりません」

つまりパソコンやスマートフォンなど、調節安静位よりも近くを見る場合、毛様体筋に力を入れて見る必要があります。視力がいい人ほど調節安静位が遠くにあるので、ピントを合わせるためにより毛様体筋に力を入れなければなりません(図2参照)。だから視力がいいと言われている人ほど毛様体筋ががんばり過ぎて、目が疲れてしまうのです。

図2:毛様体筋への力の入り方
図2:毛様体筋への力の入り方

近視の人は調節安静位から近くのものを見るまでの距離が短いので、毛様体筋にそんなに力を入れなくてもピントを合わせることができます。しかし裸眼で遠くまで見える人や遠くまで見えるように矯正(過矯正)した人は調節安静位が遠いので、ピントを合わせるためには毛様体筋にかなり力を入れなければなりません。

近視の人でも、メガネやコンタクトレンズで遠くまで見えるように矯正(過矯正)していれば、視力がいいといわれている人と同じだと梶田先生は言います。デジタル機器に囲まれている現代の私たちの生活は近くを見ることが多いため、1日のうちの多くの時間を、より毛様体筋が頑張り続けている過酷な状態で過ごしているのです。これこそ、“見え過ぎはキケン”の真実なのです。

「こう考えると、実は現代の生活には近視の目が合っているのかもしれません」と梶田先生は言います。

疲れを放置するとやがて身体に異変が!

「“目は脳の出張所”とも言われていて、脳が直接支配する12本の神経のうち、実に6本もの神経が目の働きのために使われています。そのため、がんばり過ぎている目をそのままにしておくと、疲れはやがて身体にまで影響し、肩こりや冷え症などの不調にもつながっていきます」と梶田先生。目の疲れをそのままにしておくと、身体にまで影響してしまうとは驚きです。では、目の疲れにはどのように対処すればいいのでしょう。

次ページでは、梶田先生に教えていただいた、毎日の生活の中で目の疲れを軽減し、予防する簡単ケアをご紹介します。手軽に取り入れられるケアを学び、目を守っていきましょう。

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