誰もが魅かれる、日本の美。
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誰もが魅かれる、日本の美。
世界をも魅了する日本庭園の美しさ。
金沢を訪ねたら、やはり見ておきたいのが日本三名園のひとつ、『兼六園』。歴代の藩主が180年以上をかけて造ったこの庭園が、なぜ美しいのか、その理由を聞いてみたい。そう思い、ボランティアガイドの方に案内してもらうことにしました。
「『兼六園』の名前の由来をご存じですか? “ 六つを兼ねる園” という意味なんですが、この六つは、本来兼ね備えるのが難しいものなんですよ」。案内してくれた吉川さんの言葉に興味津々。聞けば、昔の中国の詩人が書いた書物に“ 名園としての資格” として挙げられた景観を、すべて備えていることからつけられたそう。それを知って庭園の六つの景観を見て歩くと、名園である理由が深くわかります。
ほかにも、『武家屋敷 野村家』、金沢城公園『玉泉院丸』でも、見事な庭園が見られます。
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一度はその目で見てみたいミシュラン三ツ星の庭。兼六園
加賀藩の歴代藩主によって、180 年以上をかけて造られた名園。"広々としている(宏大)と、静寂な奥深さ(幽邃)はなく、人工的(人力)であれば古びた趣(蒼古)が乏しくなり、水の流れ(水泉)が多くなると、遠くが眺め(眺望)られなくなる"。中国・宋の書物『洛陽名園記』の記述をヒントに、兼ねることが難しい六つの景観を備えた名園であることから兼六園と名づけられました。
●石川県金沢市兼六町1 ☎076-234-3800(金沢城・兼六園管理事務所) 営業時間/ 7:00〜18:00(10/16〜2 月末は8:00〜17:00) 無休 料金/大人¥310、小人¥100
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米の庭園専門誌も高評価!武家屋敷跡 野村家
藩政時代の武士の屋敷が並ぶ、長町武家屋敷跡。そこにある野村家の庭はとても見事。樹齢約400 年の山桃や椎の木、大きな雪見灯篭などが素晴らしい景観を生み出しています。
●石川県金沢市長町1-3-32 ☎076-221-3553 営業時間/ 8:30〜17:30(10〜3 月は〜16:30)12/26・12/27 休 料金/ 大人¥550
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北陸新幹線の開業に合わせ、金沢城公園内に江戸期の回遊式庭園が復活。茶室を備えた休憩所からも、庭園の美しさを堪能できます。
問い合わせ/石川県金沢城・兼六園管理事務所
☎076-234-3800
郷土料理に和菓子。見目麗しい食文化。
四季折々の山海の食材に恵まれる金沢。特に加賀料理は、ここでしか出合えない雅を感じさせてくれます。「蒔絵を施した漆器や九谷焼など地元で作られた器と、地元の素材を中心にした料理との共演が加賀料理。古くから育まれてきた食文化と、金沢の伝統工芸があってこそ発展してきたんだと思います」と『金澤町屋料亭 壽屋』のご主人。
また、金沢は、京都、島根・松江と並ぶ菓子どころ。藩祖・前田利家以来、歴代の藩主が茶の湯に関心を寄せていたことから、茶道の発展とともに、さまざまな和菓子が作られたのだそうです。
舌だけでなく、目も楽しませてくれる金沢の食を堪能しながら、この地で育まれた歴史や文化を知り、日本の美に深く魅かれていく自分を感じていました。
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器、料理、もてなしで金沢の文化を体感する。金澤町屋料亭 壽屋
大正10年、精進料理の店として創業したのが始まり。九谷焼や大樋焼、輪島塗、山中塗といった石川県の器で、季節を感じられる美しい料理がいただけます。江戸時代に建てられた金澤町屋の風情も素敵です。
●石川県金沢市尾張町2-4-13 ☎076-231-6245 営業時間/ 11:30〜14:00、18:00〜22:00(入店は〜19:30) 不定休
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金沢の歳時記を守るお菓子。越山甘清堂(こしやまかんせいどう)本店
創業125 年の歴史を持つ菓子舗。金沢で結婚式のときに近所に配る風習が残る五色生菓子や、桃の節句に飾る金花糖など、地元の人々の生活に密着した慶弔の和菓子を作る。上生菓子作り体験もできます(¥1,000)。
●石川県金沢市武蔵町13-17 ☎076-221-0336 営業時間/ 9:00〜18:00 水曜休 (祝日の場合は前後に振り替え)
<北陸新幹線の開業でアクセス至便に!>
東京〜金沢間が最速2時間28分に!
すでに開業している東京〜長野の先、長野〜金沢間が3月14日に開業。これまで、東京〜金沢は鉄道で約4 時間かかっていたのが、最速2時間28分に。新型車両のE7系・W7系の新幹線は"和の未来"を表現。車内にも日本の伝統的な意匠がちりばめられ、和の趣が感じられます。