身も心もあたたまる、冬のおもてなし。
きらめく光が彩る幻想的な冬の夜。
「冬の軽井沢は、夜も素敵ですよ」。この地をよく知る人からそう聞いて、星空を眺めるツアーに参加することに。晴天率が高く、周辺に明かりが少ないことから、軽井沢には星が輝く美しい夜空が広がるのだそうです。
ガイドの大塚敏之さんは南東の空を指して「あれが冬の大三角形です」。そうして夜空を見上げていると、普段、星を見る機会があまりないことに気付かされます。夜空にまたたく無数の星。いくつもの流れ星。そして、星座にまつわる神話……。ただ星空を眺めるだけで、心が満たされていくのが感じられました。
クリスマスシーズンには、教会をはじめさまざまな施設がイルミネーションやキャンドルの灯りに彩られるイベントが開催されます。軽井沢は１８８６年のカナダ人宣教師の来訪をきっかけに、西洋文化が根付いた地。ほかにはない、とても荘厳な雰囲気が感じられます。冬の澄んだ空気の中で、きらめく光。それは冬だからこそ美しく輝くのだと、温かな気持ちになれます。
身体を温めるワインとともに星空を楽しむ。
目の前に浅間山、さえぎる物が一切ない特別な場所で行われる、天体観測。『ピッキオ』（前ページ参照）が案内してくれる「きらめく星空ウォッチング」（大人￥5,000）は、毛布や寝袋、ホットワインなどが用意され、冬の夜でも快適に星空を眺められます。スイーツも嬉しい！
街がクリスマス一色に染まるイルミネーションイベント。
『軽井沢高原教会』がある星野エリアの「クリスマスタウン軽井沢」と、『恵みシャレー軽井沢』などが参加する「White Christmas in 軽井沢」。街中イルミネーションやキャンドルの灯りに彩られるイベントが、今年も12月25日まで開催されます。
左／息を飲むほど美しい『軽井沢高原教会』。下／シンギングクリスマスツリーが有名な『恵みシャレー軽井沢』。「クリスマスタウン軽井沢」の問い合わせはホテルブレストンコート ☎0267-46-6200。「White Christmas in軽井沢」は軽井沢観光協会事務局 ☎0267-41-3850
冬を越すための工夫が生み出した、長野の味。
厳しい寒さが生み出すものに、風土の食も挙げられます。長い冬を乗り越えるために作られた信州味噌。そして、野菜が採れなくなる冬場の栄養源にと、工夫から生まれた野沢菜漬けがその代表格。軽井沢に滞在中はその滋味を堪能しました。
ここで出合えた多くの美しさは、年に一度だけのもの。じっとしていると見られないものがあるのだと、厳冬の軽井沢で感じることができました。来年はきっと、冬の到来が待ち遠しくなるはずです。
信州の味噌と醤油。お土産も食事も。
江戸時代に創業した、歴史ある味噌蔵が前身の『酢重正之（すじゅうまさゆき）商店』。辛口で味わいのある信州こがね味噌など、味噌は全部で11種類。昔ながらの製法で丁寧に作られたものばかりです。向かいにある『レストラン酢重正之』では、この商店で扱う味噌や醤油、有機農法の野菜を使った料理を。
酢重正之商店●長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1-6 ☎0267-41-2929 営業時間／10:00～18:00（季節変動あり）無休
レストラン酢重正之●長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢6-1 ☎0267-41-2007 営業時間／11:00～21:00LO（繁忙期は～22:00LO）無休
国産の野沢菜で作ったお漬物。
自社工場で作られた野沢菜漬けを販売するお店。軽井沢や小諸市（こもろし）周辺の契約農家で栽培された野沢菜を使用した素朴な味わいが人気です。自家製の野沢菜を具にしたおやきは、軽井沢散策のお供にぜひ。
四季の味蔵 旧道店●長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢12-2 ☎0267-41-6677 営業時間／9:00～18:00（季節によって変動あり）木曜不定休
