Vol.2
野菜などの食材の力で、毎日をもっと健康に。
管理栄養士の市野真理子先生が、あなたの悩みに答えます!
厚着をしてもツラい。“冷え”を改善したい!
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厚着をしてもツラい。“冷え”を改善したい!
「しっかり厚着&靴下も重ねばきをしても、身体が冷えてツラいです。食事で改善できますか?ただ、仕事が忙しくあまり料理に時間をかけられません。簡単な方法があれば嬉しいです」(神奈川県・カオリさん 36歳・会社員)
朝食を抜いているのでは!?
朝、しっかり食べて身体の熱を作り出しましょう。
体温アップのためには、朝食を欠かさずに!
冷えには、多くの女性が悩まされていますよね。今回お悩みを寄せてくれたカオリさんのように、冬は特に辛くなるという人も増えてきます。冷えは、肩こりや頭痛、肌トラブル、そして生活習慣病の原因にもなりますから、そのままにせず改善に取り組みましょう。もちろん、食事でも改善を目指せますよ!
カオリさん、お仕事が忙しいとのこと。もしかして朝食を抜いていませんか?冷えの原因はそこにあるかもしれません。朝食は、身体の熱を作ってくれる、とても大切なものなんです。私たちの身体は、食べたものを消化する際、そのエネルギーで熱を生み出しています。その作用を、“食事誘発性熱産生(Diet Induced Thermogenesis)”といいます。アルファベットの頭文字をとって“DIT”とも呼ばれています。食事中や、食事の後、身体がぽかぽかとしませんか?それはこのDITの働きによって体温が上がるからなんですよ。
朝食が大切なのは、DITの働きは朝がとても重要になるからです。人間の生活サイクルに合わせて、活動が始まる朝に、取り込んだ栄養素をエネルギー源に変える働きが高まるんです。その分だけ熱が多く作られます。また、朝は体温が上がる前。朝食をしっかり摂って熱を作り、体温を上げることが、冷え対策の基本になると言えます。
温め+血行促進食材で身体の芯からぽかぽかに!
そんな大切な朝食に、何を食べればいいか?おすすめは、身体を芯から温めてくれるお味噌汁やスープ。具材にはごぼうやにんじんなど冬に旬を迎える根菜類がいいですね。寒い季節に採れる野菜は、身体を温める作用があると言われています。また、お味噌汁に豆板醤を少し入れるとぽかぽかとして温め効果がアップしますよ。
冷え対策は、体温を上げること、身体を温めることに加えて、血の巡りをよくすることも大切。ビタミンEには血行を促進する働きがありますから、それを多く含む食材を取り入れましょう。ビタミンEが豊富なかぼちゃのポタージュスープは朝食にもぴったり。生クリームの代わりに、ビタミンEがたっぷりなオリーブオイルを加えると、温め効果アップも期待できる上、コクが出て美味ですよ。
ナッツやドライフルーツも、ビタミンEが豊富。おやつとして食べれば、昼間の冷え対策にもなります。食物繊維も豊富でヘルシーですよ。
朝は本当に忙しいものですが、時間を上手く使えば、余裕ができます。例えば、夜に出汁で具を煮込んでおいて、朝に味噌を溶くだけにしておけば短時間でお味噌汁を作れます。そんな工夫も取り入れながら、朝食はしっかり摂ってくださいね。おいしく食べて、ぽかぽかの冬をお過ごしください!
- 根菜
- 栄養豊富な根菜は、温め食材の代表格。
土の中で育った根菜は、身体を冷やす水分が少なく、ビタミン、ミネラルなどの栄養が、ぎゅっと詰まっています
- オリーブオイル
- カロテン野菜とのコンビで冷え対策。
ビタミンEで血行促進。にんじんやかぼちゃが含むカロテンの吸収率を高めるので、組み合わせれば老化予防にも!
- ナッツ&ドライフルーツ
- ビタミンEで血行促進!おやつでも冷え対策を。
意外と知られていない、冷え対策の優等生。ナッツならアーモンド、ドライフルーツはレーズンやプルーンがおすすめです