Vol.2
食材の力で、毎日をもっと健康に。
管理栄養士がお悩みに答えます。
外食での食べ過ぎが原因?肌あれ、むくみが気になる。
読了時間:5分
外食での食べ過ぎが原因?肌あれ、むくみが気になる。
「肌あれとむくみに悩んでいます。特に最近気になるので、原因として思い当たるのは、歓送迎会などで外食が多いこと。つい食べ過ぎちゃうんです…。それが、肌あれやむくみに関係しますか?」(愛知県・アヤコさん 40歳・会社員)
酵素のバランスが崩れているのかも。
酵素を上手く活用して代謝を高めるのが、悩み解消の近道!
消化酵素の使い過ぎが、その悩みの原因に!
春は、始まりを感じさせてくれる季節。気分がウキウキするようなこの時期に肌あれやむくみがあると、そんな楽しさも半減してしまいますよね。
肌あれやむくみの原因はさまざまですが、アヤコさんは最近、外食が多く食べ過ぎているようなので、酵素のバランスが崩れている可能性があります。そのせいで代謝が悪くなって、肌細胞の生まれ変わる力や、老廃物を排出する力が低下して肌あれになり、水分の巡りが悪くなることで、むくみになっていると考えられます。
このように、酵素と代謝には深い関わりがあるんです。まずは酵素について、簡単にご説明しましょう。私たちの体内には、ふたつの酵素があります。ひとつは食べ物を消化・分解し、身体に必要な栄養を吸収するための消化酵素。もうひとつは細胞の形成や、臓器の機能維持、免疫力を高めるなど、さまざまな生命活動のための代謝酵素。代謝を高めるためには、この代謝酵素が必要になります。
体内で生産される酵素の量は決まっていて、生命維持のため栄養の吸収が優先されるので、まず消化酵素が作られます。食べ物を多く摂ると、消化酵素がたくさん必要になるので、代謝酵素の量が足りなくなってしまうんです。アヤコさんのように、食べ過ぎが続いてしまうと、代謝酵素が不足して代謝が落ち、肌あれやむくみが現れてしまいます。改善するには、消化酵素を節約し、代謝酵素を増やすことが大切です。
食べ方を工夫して、消化酵素を節約しよう!
消化酵素を節約するには、まずは食べ過ぎないこと。また、消化のよい食べものを選ぶことも効果的です。さらに、酵素を含んだ食べ物を摂ることも消化酵素の節約になりますよ。生の食品の多くは酵素を含んでいますから、外食でもできるだけ、生野菜や果物、お刺身などを食べるようにしましょう。ほかには、納豆や味噌などの発酵食品にも、酵素が豊富に含まれていますよ。
加えて、食べ方も工夫をするといいですね。消化酵素には、糖質を分解する“アミラーゼ”、タンパク質を分解する“プロテアーゼ”、脂質を分解する“リパーゼ”などがあります。例えばとろろご飯は、山芋に豊富に含まれるアミラーゼが、ご飯の糖質を分解してくれます。このように、とんかつ(タンパク質)+キャベツの千切り(プロテアーゼ)、天ぷら(脂質)+大根おろし(リパーゼ)を入れた天つゆ……など“食べ合わせ”を考えてメニューを選べば、体内の消化酵素が節約できるんです。
酵素の力を味方につければ、代謝がアップ。肌あれやむくみの悩みもきっと解消できるはず。晴れやかな気持ちで、春を満喫してくださいね!
- メロン
- アミラーゼとプロテアーゼが豊富。生ハムメロンは、プロテアーゼが、ハムのタンパク質を分解
- パイナップル
- プロテアーゼがタンパク質を分解。酢豚に使われるのも納得! 調理の際は加熱を避けて
- キャベツ
- アミラーゼ、プロテアーゼがたっぷり。とんかつのほか、から揚げやフライの付け合わせに
- 大根
- アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼを含む。焼き魚やだし巻き玉子、天ぷらなどの付け合わせに大活躍
- 山芋
- アミラーゼが豊富。糖質の分解を助けてくれるので、ご飯や蕎麦と一緒にどうぞ!