睡眠時間はしっかりとっているつもり。でも、昼間に眠くなってしまう。それは眠りの質が悪く、身体が十分に休めていないからかもしれません。睡眠は、美容にも健康にもとても大切なこと。そこで、今すぐ実践できる「いい睡眠」の秘訣をご紹介します。
いい睡眠のために「体内時計」を調節しよう!
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いい睡眠のために「体内時計」を調節しよう!
いい眠りには「体内時計の調節」が大切
地球上に生きる生物は環境の変化に身体を合わせるため、地球の自転に合わせたリズムを刻む「体内時計」を持っています。ですが、人の体内時計が1日に刻んでいるのは「約24.5時間」のリズムで、地球の自転とは“0.5時間ズレ”があります。日々、その差を調節できないと、睡眠に支障をきたすだけでなく、肥満や糖尿病、高脂血症、さらにはがんやうつ病などにつながる恐れがあります。だからこそ体内時計のズレを調節していくことが大切です。
朝は「体内時計」を
リセット
体内時計の調節には、「朝日を浴び、朝食を摂ること」が不可欠。太陽の光と食事で身体に朝が来たことを知らせて、0.5時間遅れている体内時計をリセットしましょう。ですが、それだけではなく、一日を通して食事や運動を考えないと体内時計のリズムに合わせた生活にはなりません。何を食べるか、どんな運動をするのかに加え【いつ食べるのか、いつするのか】ということも重要です。
朝食はしっかり、
夕食は軽めに。
で、体内時計を調節
朝食はトーストやおにぎりだけ、スムージーだけでは、体内時計をリセットする力は不十分。マウスを使った実験では、糖質にタンパク質を足すとリセット効果が高くなることがわかっています。朝には、肉や魚、卵、乳製品、豆などでタンパク質を摂りましょう。また、午前中から昼間は、腸が、糖質をエネルギーとしてとり込むために最も働く時間。ですから一日の食事量の大半を昼食までに摂るのが理想です。朝食はしっかり。夕食は軽めに。これが、健康につながる食事の仕方です。
高タンパク質の朝食で、筋肉が増える!
柴田先生の研究。負荷をかけて筋肉を鍛えたマウスを、朝の餌を高タンパク質にしたグループ、夕方の餌を高タンパク質にしたグループ、朝夕の餌のタンパク質を均等にしたグループに分けて飼育(一日に与えるタンパク質は同量)。2週間後の筋肉量を比較したところ、朝に高タンパク質の餌を摂ったグループが最も筋肉が増えることがわかりました。タンパク質は同量であっても、朝に摂るのが重要だとわかります。
朝・夕方の運動で体内時計を動かす
光・食事と同じく、運動にも体内時計を動かす力があります。これもいつやるのか、が重要です。意外かもしれませんが、朝は多くのエネルギーが必要な、負荷の大きい運動は向いていません。朝にやるべきは、ヨガやストレッチのほか、階段を上るなどの筋肉に適度な負荷をかける運動。ランニングなど強度の高い運動は、体温が上がり、筋肉をスムーズに動かせる夕方がベスト。また、夜の運動は体内時計を遅らせ、睡眠に影響が出るため、できるだけ避けるようにしましょう。
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- 取材協力・記事監修
- 柴田 重信 先生
早稲田大学教授 先端生命医科学センター長