vol.5
普段、なにげなくさしている目薬。実は間違った使い方をしている人も……。
十分な効果を得るために、正しい使用法を知りましょう。
さし方次第で効果も変わる!?目薬の正しい使い方ご存知ですか?
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さし方次第で効果も変わる!?目薬の正しい使い方ご存知ですか?
身近なものなのに意外に知らない
目薬の正しい使い方
今から2年ほど前、SNSに「目薬をさしたあと、目頭を押さえるなんて知らなかった」という投稿が。すると「そうだったの?」「私も知らなかった」と瞬く間に拡散され、アクション数は約1万人に。正しいさし方を知らない人がそれだけ多かったということです。目薬をさしたあと、目をパチパチさせる人がいるようですが、これは間違い。パチパチさせることによって薬液が流れてしまいます。薬液が目全体に行き渡るよう目を閉じて、しばらく目頭を押さえるのが正解です。皆さんはご存知でしたか? ほかに、点眼前は手をきれいに洗う、目薬の汚染を避けるため目からなるべく離してさす、眼病が移る可能性があるので家族であっても目薬の共有は避けるなども、目薬の正しい使い方です。
目薬は常備する人が多く、疲れ目や目の乾きを感じたら、パッとさすことができる、とても身近なもの。ドラッグストアで初めて自ら購入した医薬品が目薬という人も多いのではないでしょうか。でも、その身近さゆえに、説明書をしっかり読まず、子どもの頃に親から聞いた“我が家流”や“自分流”の使い方をしている人が少なくないようです。
目薬をはじめとする薬を自分や家族を守るために役立ててもらいたいという想いから、ロート製薬では薬の正しい使い方の出前出張授業を行っています。薬局・薬店で買える薬の正しい知識を早い段階から得てもらいたいと、2006年、中高生を対象に「薬育授業」を本格的にスタートさせました。
薬を正しく使ってほしい。
社員の出前出張授業が「薬育」のさきがけに。
ボランティア社員による出前出張授業を通してわかったのは、薬が正しく使われていないことが多いという事実。例えば、「錠剤をうまく飲めない祖母のために細かく砕いてあげる」「カプセルの中身を出して服用する」「薬を牛乳と一緒に飲む」といった中高生の発言に驚かされました。薬の形状によっては、胃で溶けずに腸まで届くようにするなどの目的があり、それを変えたり、水以外と飲むと効果が最大限に得られないこともあるのです。正しい使用方法を広めるべく、実験なども含め、見た目にもわかりやすい授業を展開しました。これが業界における薬育のさきがけとなりました。
そして、出前出張授業で得たノウハウをベースに、2011年には独自の薬育プログラム教材も完成。ワークブックやスライド教材、薬のパッケージや説明書の実物教材などを中学・高校に提供し、授業で使ってもらうプログラムです。中高生が興味を持てる内容で、教育の現場で反響を呼びました。彼らが学校で得た知識は、各家庭で父母や祖父母、兄弟にも伝えられ、広がっていきます。
国はセルフメディケーションを推進し、インターネットでの一般医薬品の販売も拡大。それは、薬を自分で選び、正しく快適に使うための知識がより大切になってきたということ。病気やケガのとき、薬は役立ちますが、使用法を間違えると本来の効果が得られないこともあります。また、薬には副作用があるのも忘れてはならないこと。購入時にパッケージに書かれた効能・効果、用法・用量、注意事項などをチェックし、使用前は説明書を読み、パッケージとともに保管してくださいね。十分な効果を得るためにも、薬は正しい知識を持って賢く使いましょう。