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知っトク!?健康スキル

気象と不調のカンケイ:第3回「気分の落ち込み」

掲載号 vol.43

気象と不調のカンケイ

多くの女性が悩まされている気象病。不調とうまくつきあっていくために何をすればいいのでしょうか?気象病に詳しい後山先生にお聞きします。

記事内容

読了時間:分

気分の落ち込み

本誌編集部に届いた、読者のお悩みの声

雪が降ると憂鬱になります。(32歳・女性)

気分が落ち込み「今日は何もしたくない」となります。(45歳・女性)

冬の天気の悪い日は気分がふさぎがちに。(68歳・女性)

気分の浮き沈みイライラ感が増します。秋から冬に多いです。(46歳・女性)

雨が続くと暗い気持ちになります。(59歳・女性)

冬に多くなる気分の落ち込み。

12月になりました。今年も残りわずかですね。この時期、忙しいのに気持ちが沈む、元気が出ない、家事や仕事がはかどらない……。読者の中にも、そんな方がおられるのではないでしょうか?

昔から【冬季うつ】というものがあります。名前の通り、秋から冬に症状が現れ、春にはよくなる季節性うつ病。その原因のひとつとして、日照時間が関係していると言われています。冬の日照時間が極端に短い北欧の国では、うつ気味になる人が多いというデータもあるんです。

【冬季うつ】とまではいきませんが、冬場は気象による気分の落ち込みを感じる人が少なくありません。どんよりとした灰色の空、冷たい雨など、何だか寂し気な天気が多くなりますね。そんな中、日常生活に支障をきたすほどではないけれど、気分が沈みがちになったり気力が低下したりするんです。このような自分の変化に悩むことは、決して珍しくはないんですよ。

雪

「病は気から」ゆえ、気の巡りが大切。

よく「病は気から」と言いますね。これは元来漢方医学の言葉で、身体を支える三つの柱【気(き)・血(けつ)・水(すい)】の【気】のこと。【気】とは、心身の元気のもととなるエネルギーのようなもので、これがしっかりとり入れられ、身体のすみずみまで巡っているのが健康な状態です。気象による気分の落ち込みは、【気】が不足したり、滞ったりすることで起こります。中には、気象の変化による自律神経の乱れから身体に変調が現れ、それが心に影響する人も。体調がよくならない、原因がわからないと悩むうちに、気が滅入ってしまうんです。

例えば毎年、冬に気分が落ち込む人は、身体の冷えが原因のことも。冷えから自律神経が乱れ、心にも影響している女性が結構います。万病のもとである冷えに注意し、特に足元は温めましょう。僕は患者さんに、気温が下がり始める秋から身体を温めることをおすすめしています。

また、漢方薬も助けになりますよ。【気】の巡りをよくして、よい【気】をとり入れやすくする漢方薬を服用してみるとよいでしょう。効果が期待できるのは【補中益気湯(ほちゅうえっきとう)】、【柴朴湯(さいぼくとう)】、【半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)】、【女神散(にょしんさん)】などです。

落ち込みの予防には楽しいことを!

落ち込む傾向にあるときは、苦手な人に会わない、気の進まない場所に行かないほうがいいのですよ。でも、そうもいきませんよね。ですから、【気】の巡りをよくして、エネルギーをしっかりとり入れるため、日頃から気持ちのよいこと、楽しくなることをしましょう。海を眺める、森林浴をする、カラオケで歌う、温泉に入るなど、好きなことをする機会を増やすといいですよ。

毎回お伝えしていますが、気象による不調を予防するには自律神経を鍛えることが大事。食生活や睡眠の質にも気を配り、適度な運動を継続して行いましょう

もし、いつもと様子が違うと感じたら、じっくりと話を聞くことを診療のかなめとする漢方外来へ行かれてはどうでしょう。漢方医が近くにいなければ、かかりつけの先生に相談してみてください。話を聞いてもらうだけでも気が楽になるものですよ。

澄んだ空気、輝く星空、雪景色など、今だけの美しさを楽しみながら寒い冬を乗り切りましょう。

薬

【気】を巡らせる補中益気湯で元気をサポート!

エネルギーである【気】を巡らせるとされる補中益気湯は漢方処方のひとつ。胃腸の消化吸収機能に働きかけ、弱った身体*を強くします。ドリンクタイプも登場
*虚弱体質

体力虚弱で、元気がなく、胃腸のはたらきが衰えて、疲れやすい方の虚弱体質、疲労倦怠、感冒に

上/64錠 第2類医薬品 ¥1,800(税抜)
販売名/リハビット
下/30ml×3本 第2類医薬品 ¥1,000(税抜)
販売名/新生補中益気湯内服液

商品詳細はこちら
気分の落ち込みとうまくつきあうための3か条
  1. 冷えは大敵!冬場は身体を温めて、自立神経を整えることが気分の落ち込みの予防に。
  2. 気持ちのよいこと楽しいことを、たくさんすることで【気】の巡りがスムーズに!
  3. 思い悩まず異変を感じたら、漢方医やかかりつけ医に相談を!

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この先生に聞きました!

後山尚久 先生

後山尚久 先生

うしろやま たかひさ

大阪医科大学
健康科学クリニック 名誉所長

大阪医科大学卒業。 大阪医科大学産婦人科助教授、藍野学院 短 期 大 学 教 授 な ど を 経 て、 2 0 2 0 年 よ り 現 職。著書に『更年期 からだと心の変化で 悩 む 人 に 』( N H K 出 版 )な ど が あ る

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