『腱鞘炎 予防&改善』Q&A 実は女性に多い?ホルモンが関係?
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『腱鞘炎 予防&改善』Q&A 実は女性に多い?ホルモンが関係?
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腱鞘炎は、主にふたつあります。ひとつは「ばね指」。手のひらの指のつけ根が腫れたり、指の曲げ伸ばしがスムーズにできずカクカクと引っかかるような感じがあります。もうひとつは、手首に痛みや腫れが現れる「ドケルバン病」。特に親指を広げる、反らすなどの動きによって強い痛みが出るのが特徴です。また、腱鞘がない場所ですが、肘の痛みも腱鞘炎に含まれます。ものをつかんで持ち上げたときなどに、肘の外側から手首にかけて痛みが出る、いわゆる「テニス肘」と呼ばれるものです。使い過ぎることがそもそもの原因ですが、使い過ぎを自覚していない人も。痛みは、休みなさいのサイン。安静が大切なので、症状を見過ごさないようにしましょう。
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ばね指の場合は、腱が腱鞘に引っかかるロッキングという状態になり、指を伸ばせなくなることがあります。ドケルバン病もテニス肘も、安静にしなければ炎症が治まらず、手術が必要になる場合もあります。妊娠期、出産後、更年期は特に手を酷使し続けることは避けましょう。
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月経の終わり頃から排卵前の約7日間、エストロゲンが低い状態になりますが、その日数では腱鞘炎に影響しないと考えられます。エストロゲンを抑える乳がんの治療を開始して、腱鞘炎による痛みなどが現れるのは約6週間後。このことから、低エストロゲン状態になっても数週間は炎症を抑えるなど修復作用は続くと思われます。7日間程度であれば腱鞘炎には影響しないと言えます。
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エストロゲンとプロゲステロンを補充するホルモン補充療法(HRT)は、原理的には有効かもしれません。が、それに伴う副作用を考えるとベストだとは言えません。エストロゲンのような働きをする大豆イソフラボンを摂ったり、マッサージやストレッチ(下のコラム参照)で改善を目指すほうがいいでしょう。
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閉経後はエストロゲンがほぼ分泌されませんから、腱鞘炎になりやすいと言えます。が、腱鞘炎はあくまでも使い過ぎがそもそもの原因。炎症が治りにくくなりますが、手を酷使しなければ、炎症を起こすことはないと言えます。ただ、一度治っても再発するというケースは多いので気をつけましょう。
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男性ももちろん腱鞘炎にかかりますが、女性に比べると多くはありません。ばね指は男女比1:6、ドケルバン病は1:7です。男性ホルモン・テストステロンには、筋肉や腱を強くする働きがあるため、男性は腱鞘炎になりにくいと言えます。
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マッサージやストレッチは改善にとても有効。血流が悪いことが原因になっている場合もありますから、お風呂で温めながら行うのもよいでしょう。改善だけでなく予防にもなります。
マッサージ
腕を曲げ、肘から手首にかけてほぐすように揉んでいく
ストレッチ
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①痛くない範囲で手を反らし(反対の手で押さえる)、数秒止める
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②指が下向きになるよう手首を曲げ、数秒止める。①②を数回行う